"大家だった姑の逆転" 第3話
私は寝で、夕飯をべた
嫁の嫌を損ねないように暮らす々は、像していた以に疲れるものだった。朝起きても、台所へ入っていいのかを考える。洗濯物が取り込まれていても、自分のだけ畳むべきか迷う。蔵庫からお茶をすだけなのに、嫁の音が聞こえると反射にを止めるようになった。
それでも私は何度か関係をて直そうとした。「いつもありがとう。今は私がのことをやるから、気らしにかけてきたら?」と誘ったこともある。ところが嫁は決まって、「私がにいると邪魔って言いたいんですか」と受け取った。違うと言えば言うほど、彼女は嫌になった。
やがて夕まで別々になった。
「彼は帰りが遅いけど、緒にべたいので。お母さんは先に済ませてもらえますか」
最初はそれだけだった。ところがリビングのテーブルでべようとすると、「あとで片づけるのが度になるので、お部に運んでもらえます?」と言われた。
それから私は、自分の寝でで夕飯をべるようになった。テレビもない部で、膝のにさな盆を置く。壁の向こうからは、嫁がバラエティ番組を見て笑う声が聞こえた。息子が帰宅する頃になると、嫁はあらためて料理を温め、るい声で「お帰り」と迎える。
息子は、私が先にべていることを「母さんは寝だから」
広告
とっていたらしい。ある、「最、でべないね」と言ったものの、嫁が「お母さんがくべたいって」と答えると、それ以は聞かなかった。私は否定したかったが、嫁の線をじて言葉をみ込んだ。
こんな暮らしがく続いた。
私は自分でも驚くほどさくなっていた。では友と普通に話せるのに、の玄関をけた瞬、声の音量までがる。昔、義実で暮らしていた頃と同じだと気づいたには、苦笑するしかなかった。私はあれほど「度と誰かをので追い詰める側にも、追い詰められる側にもならない」と誓ったはずなのに、いつのにかまた同じ所にっていた。
ある、友から旅に誘われた。「たまにはにたら」と言われ、がしいた。けれど嫁に予定を話すと、「その、のことは誰がするんですか」と言われた。私は事を任されていないのに、なぜか責任だけはあるらしい。結局、旅は断った。
そんなある晩、私はいつも通り寝で夕を済ませた。器だけは自分で洗おうとい、静かにキッチンへ向かった。リビングはすっかり嫁の好みに変わっていた。私が夫と選んだクッションは押し入れにしまわれ、棚のには嫁の化粧品や雑誌、通販で買った物が並んでいる。
私は目をわせないようにして蛇をひねった。
広告
背でソファがきしみ、嫁がちがった気配がした。
「あのう、もういい加減にしてくれませんか」
振り返ると、嫁は腕を組み、これまで見たことのないたい顔でっていた。
「何のこと?」
「とぼけないでください」
声に棘があった。私はを止め、濡れたを布巾で拭いた。嫁はゆっくりづいてくると、まるでしてきたのは自分のほうだと言わんばかりに息を吐いた。
「このアパートって、くなったお父さんが建てたものだったんですね」
その言葉に、私は初めて嫁の顔をまっすぐ見た。
なぜ、嫁がそれをっているのだろう。
夫が建てたこのさな賃貸アパートのことを、私は詳しく話した覚えがなかった。
「この、お母さんの部を掃除した、類を見つけたんです」
私は返事をしなかった。
寝の引きしの奥には、夫が残したアパート関係の類が入っていた。
そこは、掃除をしていて偶然目に入るような所ではなかった。