"大家だった姑の逆転" 第2話
「事は全部、私に任せてください」
結婚式は内だけのさなものだった。息子がうれしそうに彼女のを取る姿を見て、私は何度も目がくなった。夫がきていたら、きっと同じようにんだだろう。写真のの夫に「やっとあの子にも族ができたわよ」とので報告し、私はを迎える準備をした。
同居が始まった最初の、嫁は張り切った様子で台所にった。
「お母さん、事は全部私がやりますから、ゆっくりしていてください」
その言葉だけを聞けば、申し訳ないほど気遣いのできる嫁だった。けれど週もすると、私はさな違を覚えるようになった。
嫁は結婚から仕事を辞めていたらしく、再就職を探している様子もなかった。息子は「しばらく婚活に慣れてからでいいよ」と言っていたが、活費は当然、息子の収入に頼ることになる。しかも事が得かといえば、そうでもなかった。洗濯物は畳まずに子へ積まれ、器は切りかごに残り、夕も来いの惣菜が増えていった。
ただ、それ自体を責めるつもりはなかった。慣れないでの活なのだから、失敗することもある。私だって若い頃から完璧だったわけではない。むしろ負担を減らそうとい、「今は私が夕飯を作るわ。あなたはし休んだら?」
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と声をかけた。
ところが、嫁の表が瞬で固くなった。
「いいです。私がやります」
「でも、毎じゃ疲れるでしょう」
「私の仕事を取らないでください」
言葉のさに、私はわず黙った。事をしたくないのではなく、私に事をさせたくないらしい。翌、に髪の毛が落ちていたので掃除をしたも、嫁はリビングからやって来て私のから持ちを奪った。
「だから、お母さん。私の仕事だって言ってるじゃないですか。お願いだから、おとなしくしていてください」
婚の挨拶に来たの控えめな姿とは別のようだった。それでも私は、若いなりに「嫁としてしっかりしなくては」と気負っているのだろうと考えた。私がをせば、今度は私がかつての義母と同じことをしてしまう。そううと、何も言えなかった。
方、息子は結婚、の本業に加えて夜のアルバイトまで始めた。計に余裕を持たせたいからだという。帰宅は連遅くなり、私と嫁がきりで過ごすが増えた。私は息子に配をかけたくなくて、嫁との微妙な空気について度も話さなかった。
そのうち私は、なるべく自分の部からないようになった。台所へけば「何をするんですか」と聞かれ、リビングでテレビを見れば「掃除したいので」と回しに所を空けるよう求められる。
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トイレにくため廊へると、嫁はソファに寝転び、菓子をべながらテレビを見ていることもあった。私がそこにつと、慌てて背筋を伸ばし、いかにも忙しそうな顔をする。
がなのに、私だけが居候のようだった。
さらに困ったことに、嫁は息子のでは態度を変えた。ある晩、息子が珍しくく帰宅し、で卓を囲んだのことだった。息子が私を見て、し満そうに眉を寄せた。
「母さん、彼女を働かせすぎじゃないか?」
何を言われたのかわからず、箸を持つが止まった。
「事を全部任せるなんて、ちょっとひどいだろ。まだ若いんだし、もっといたわってやってよ」
「ちょっと待って。私は何もさせてもらえないのよ。伝おうとすると――」
最まで言うに、嫁がうつむいた。目元を押さえながら「私が勝にやってるだけだから」とさく言う。その仕を見た息子は、ますます私を責めるような目になった。
「嫁なんだから、母さんには気を使うに決まってるだろ」
その言葉が胸に刺さった。私は、自分が何もしていないことより、息子が私の話を確かめようともせず、最初から嫁の言葉だけを信じたことがしかった。それでも婚夫婦のに波をてたくなくて、「わかったわ」と答えた。
その夜から、私は嫁の嫌をうかがって暮らすようになった。
そしてその慮が、、私自をこのから追いす材料に使われることになる。