"夫のいない四日間" 第13話
託された言葉
そのの夕方、授賞パーティーを終えて帰宅した私は、リビングのソファにく腰をろし、静かな夕暮れの空を眺めていた。
テーブルのには、兄の慶介が届けてくれた美の通表と、学からの便りが置かれている。担任の先からの通信欄には、美がクラスの友達とるく元気に過ごし、困っている友達を率先して助けている様子が、温かい言葉で記されていた。
コンコン、と控えめなノックの音がして、リビングのドアがいた。
お呂がりの美が、濡れた髪をタオルで拭きながらトコトコと歩み寄ってくる。パジャマの胸元には、先週緒にデパートで選んだいウサギの刺繍が揺れていた。
「ママ、おかえりなさい。今のお仕事、どうだった?」
「ただいま、美。とってもうまくいったわよ。美の絵のおかげね」
私が微笑むと、美は嬉しそうに私の隣にちょこんと腰掛け、さなを私の肩にコテンと預けてきた。
「ママ、あのね」
「なぁに?」
美はしの、沈黙した、さな指先で私ののひらをなぞりながら、ぽつりと言った。
「美ね……たまに、のパパのこと、いすことがあるの」
私の臓が瞬だけさくねた。だが、私は揺を隠し、優しく美の背を撫でた。
「そう……美、寂しいいをさせてる?」
「ううん、ちがうの」
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美は首をきく横に振った。そして、澄み切った瞳で私の顔をまっすぐに見げた。
「パパがね、のの……沖縄にくののに、美に言ったの。『パパはおたちのために、すっごくきなお仕事をしてくるんだぞ』って。でも、パパの目は笑ってなかったの。美、そのすごく怖かったんだ」
歳の娘の記憶。
博之は、浮気相との国逃避を、娘にすらそんなっぽい嘘で正当化しようとしていたのだ。
「でもね、ママ」美の声が、凛とした響きを帯びた。「ママは、美に度も嘘をつかなかったよ。しいおにくも、パパとお別れするも、ママはちゃんと美の目を見て、お話ししてくれたでしょ? だから美、ママのことが世界で番好きなの」
美は私の首にさな腕を回し、ぎゅっと抱きついてきた。
温かい体温、鹸の清らかなり。
あの、夜のえ切ったリビングで、スマートフォンの画面に打ちのめされ、暗の底で震えていた夜の記憶が、完全に浄化されていくのをじていた。
私が守ったのは、単なる活やプライドではなかった。
この子の無垢な魂と、を信じる。それこそが、私が命を削ってでも守しなければならなかった、唯無の宝物だったのだ。
「ありがとう、美。ママも、美のことが世界で番好きよ」
私は娘を抱きしめ返しながら、窓のに広がる夕焼けを見つめた。茜の空が、ゆっくりと群青の静寂へと溶け込んでいく。