"義両親をこき使う伯父に、嫁の私が反撃した日" 第15話
「兄貴、この計簿を見てくれ」
静寂が支配する畳の広。 全員の線が斉に、末席に座る義父へと注がれた。 義父は静かにちがると、元に置いてあった呂敷包みから、冊の学ノートと、クリップで留められた分いの束を取りした。
「なんだ、たかし。改まって」 国男伯父さんが怪訝そうに眉を寄せる。
義父は座布団から畳のにり、ゆっくりと机の央、国男伯父さんの座る座のへとみた。 そして、から義母が血の滲むいでき留めてきたあの計簿と、の振込受取の束を、机のに静かに滑らせた。
「兄貴。今、親戚の皆が集まっているで、どうしても清算しておきたいことがあるんだ」
「せ、清算だと……?」 国男伯父さんの顔に、微かな揺がる。
「、私の勤め先が倒産し、典子がい病気で倒れた、兄貴は百万円のを貸してくれた。そのおかげで典子は術を受けられ、今まできてこられた。……その恩義は、今でもから謝している。忘れることはない」
義父は正座のまま、く、丁寧にをげた。 国男伯父さんはしをくし、「ふん、分かっていればいいんだよ、分かっていれば……」と頷きかけた。 しかし、義父が顔をげた、その瞳に宿っていたは、これまで見たこともないほど力く澄み切っていた。
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「だが、兄貴。その百万円は、に全額きっちり返済が終わっている」
バサリ、と受取の束の番がめくられた。 平成の、最の万円の振込票。 そこには、国男伯父さんの個座の番号と、受取印が鮮に印字されていた。
「典子が内職をし、活費を極限まで切り詰めて、かけて毎数万円ずつ返したんだ。ボーナスがたは万円を振り込んだ。最の振込には、利子と謝の気持ちとして万円を乗せして包んだ。……兄貴も当、話で『確かに受け取った』と言ってくれたはずだ」
座敷のに、ざわざわと親戚たちのどよめきが広がった。 「え……返済、終わってたの……?」 「もに……? じゃあ、なんで……」 美代子叔母さんが息を呑み、信じられないものを見るように夫の横顔を見つめた。
「な……な、何を今更……!」 国男伯父さんの顔が、見る見るうちに赤黒く染まっていく。 「そんな昔の類を引っ張りしてきて、何が言いたいんだ! 誰の許を得て、こんな席で蒸し返しているんだ!」
「蒸し返しているのではない、兄貴」 義父の声は、どこまでも穏やかだった。 「事実を、親戚の皆に正しくっておいてほしかったんだ。私たちは、借を踏み倒して兄貴に寄しているわけではない。自分たちの力で汗垂らしてを返し、とっくに義理は果たしているんだとね」