"義両親をこき使う伯父に、嫁の私が反撃した日" 第11話
義母の反乱「もう、よくない!」
居に、再び沈黙が訪れた。 柱計の振り子の音だけが、コチ、コチ、と々しく響いている。 義父の隆さんは、自分の湯呑みの底を見つめたまま、力なく呟いた。
「……私はね、もういいんだよ」 「お義父さん……」 「兄貴ももうだ。今更昔のことを蒸し返して、兄弟で骨肉の争いをしたって、誰も幸せにならん。親戚の集まりなんて、にたった数回のことだ。そのだけ私が笑ってをげていれば、丸く収まるんだよ」
義父の答えは、の諦に塗り固められたものだった。 自分がをかぶることで族を守ってきたという、呪縛のような自己犠牲。 私は唇を噛んだが、それ以は何も言わなかった。当事者である義父がそう望むのなら、私がを挟むべきではない。
だが――そのだった。
「もう、よくないわ!!」
居の空気を真っつに切り裂くような、鋭く、張り詰めた声が響いた。 義父が驚いて隣を向いた。私と健太も、息を呑んで目を見張った。
声をげたのは、義母の典子さんだった。 いつも夫のろに隠れ、おどおどと笑いを浮かべていたあの義母が、背筋をピンと伸ばし、燃えるような瞳で義父を真っ直ぐに見据えていた。
「典子……? お、急にどうしたんだ……」
「たかしさん! あなたは『自分がすれば丸く収まる』って言いますけど、収まってなんていません!」
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義母の唇は震えていたが、その声には、分の鬱屈を打ち破る確固たる志が宿っていた。
「親戚の集まりがあるたびに、私は当然のように台所に追いやられて、たいで皿洗いをさせられてきました! 美代子さんからは『おの管理もできないダメな嫁』と笑われ、健太が私のへ学しただって『借があるくせにの程らずの贅沢だ』とを叩かれました!」
「そ、それは……兄貴たちの冗談だろう……」
「悪気のない冗談なら、何を言っても許されるんですか!?」 義母の鋭いが、義父の言い訳を砕した。 「あの百万円のおかげで、私が命を救われたことは忘れません! 国男さんにはから謝しています! でも……謝していることと、奴隷のように見されていいことは、絶対に別です!!」
義母の目から、粒の涙がポロポロと溢れた。 「あなたがヘラヘラ笑ってをげるたびに……健太がどんな目であなたを見ていたか、あなたは気づいていなかったの!? 今だって、奈央ちゃんが私たちのために勇気をして声をげてくれた……私、けなくて、恥ずかしくてにたかったわ!」
義母は胸元をぎゅっと掻きむしった。 「お嫁さんに盾になってもらって、そのろで縮こまって笑っている自分たちが、たまらなく惨めだった! ……たかしさん、もうやめましょう。
親戚ので、卑屈に笑うのは今でおしまいにしてください! 私たちはもう、対等なとしてきていきましょうよ!」
義父の隆さんは、に打たれたように直していた。 以連れ添った妻から、これほど激しい魂の叫びをぶつけられたのは、結婚以来初めてのことだったのだろう。 義父の顔が、驚愕から、激しい自責と苦悩へと歪んでいった。