"4億円の私の家を義弟に譲る義母――夫の一言で凍りついた古希祝い" 第12話
のを終わらせる
しい部への入居が決まり、私たちは弁護士を交えて正式にこれまでの居関係を理することにした。
古いのリビングに、のと、しく作成された終確認が並べられた。
義母は向かい側に座り、以のように「私の」と主張することはなかった。
「お母様ご自が転居を希望され、双方で話しったうえで、これまでの無償居について終期を決める、という内容です」
弁護士が確認すると、義母はさく頷いた。
「はい」
「分からない部分はありませんか」
「丈夫です」
ペンを握った義母のはし震えていた。
、私からの鍵を受け取ったには、ほどの仮まいのつもりだった。
それが。
のに自分の名をく数秒で、そのいに区切りをつける。
義母は署名を終えると、しばらくペンを置かなかった。
やがてさく息を吐く。
「って、いわね」
私は何と答えるべきか迷い、「そうですね」とだけ返した。
義母は部を見回した。
「この、本当に広かったわ。掃除、変だったのよ」
以なら、「私がも守った」と権利の根拠として使っていた言葉だ。
けれど今は違った。
単純な活のとして聞こえた。
「庭だって腰が痛くなるし、階段なんて、もう度とがりたくないわ」
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「しいお部なら階段はありませんね」
「当たりよ。私が選んだんだから」
義母は顔をそらした。
そのさながりを聞いて、私は初めてしだけ笑った。
引っ越しはかになった。
公平が保証となり、と貯で分払える賃の範囲で契約した。孝志と公平がとなって荷物の理を伝う。
私はあえて参加しないことにした。
「どうして?」
孝志に聞かれ、私は答えた。
「私がいたら、お義母さんは荷物つ捨てるにも『嫁に捨てさせられた』ってじるかもしれないから」
義母が自分で決めたまいだ。
ならば、持っていくものも捨てるものも、自分で決めた方がいい。
それから毎晩、孝志は片付けの様子を話した。
「今はゴミ袋が個た」
「そんなに?」
「母さん、自分でも驚いてたよ。で物が増えすぎたって」
番揉めたのは、量の来客用器だった。
の親戚をもてなすための皿、客用の湯呑み、座布団、正用の箱。
義母は最初、全部持っていくと言って聞かなかったらしい。
しかし公平が言だけ言った。
「母さん、しい部で集めて宴会するの?」
義母は器の箱ので、い黙っていた。
そして最には自分ので、皿を処分する箱へ移したという。
それはただの片付けではなかった。
にまとっていた「本」
という装を、枚ずつ脱いでいく作業だった。