"「施設へ行け」と家を追われた七十五歳、亡き妻の山で見つけた宝" 第15話
役に届いた密告状と、庭裁判所
たちが嵐のようにってから、週が過ぎたの末。 あいの町役・民福祉課の齢者福祉係に、横浜内の法律事務所の内容証郵便が届いた。 差は、佐伯。 添付されていたのは、野庭裁判所松本支部へ提された『見始申』の写しと、町宛ての分い申だった。
類に並ぶ文面は、悪に満ち満ちた虚偽の羅列だった。 『申の父・佐伯源次郎(歳)は、実母のに伴う度のショックにより認能が著しく。突如として徘徊を起こし、族に無断で奥の廃へ法占拠同然に移した』 『、判断能力のに乗じた悪質な酒造業者に騙され、源に関する極めて当な廉価売買契約を独断で締結させられた』 『本の命・体の全、ならびに当な財産流を防止するため、実子である申を成見に選任し、速やかな保護施設への入所および産の管理権限の付与をく求める』
は、弁護士を介して裁判所に申してをっていたのだ。 父親を法に「判断能力のない認症患者」に仕てげ、自らが見となって財産の処分権を奪する――それが、追い詰められた息子夫婦の最の悪あがきだった。 もし見始の審判がりれば、源次郎の預座は凍結され、裏の源も、古いも、すべての印鑑つで産業者へ売り払われることになる。
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に入ったあるの午。 溶け始めたが根から滴る、源次郎のにの来客があった。 は、町役の保健師で、定期に集落の独居老を見回っている川節子(歳)。 もうは、野庭裁判所から派遣された、代半の調査官・佐藤だった。 「佐伯さん……突然押しかけて申し訳ありません」 川保健師はひどく済まなそうな顔で、横浜の息子から申してがあった事実を告げた。
源次郎は、入れのき届いた板のにを通し、囲炉裏の鉄瓶から湯を注いでした。 調査官の佐藤が読みげる申の旨を、源次郎は膝のに両を揃え、微だにせず聞き届けた。 (……あの子は、そこまでして、このを奪いたいのか) 実の息子から「正気を失った老」と指弾された屈辱。 だが、源次郎の顔に浮かんだのは、りではなく、どこまでもい、諦に似ただった。
「佐伯源次郎さん。裁判所の調査として、いくつか質問をさせていただきます」 佐藤調査官が類をいた。 「今の付と、曜を言えますか」 「令、。曜です」 「こので、どのような活を送っておられますか」 源次郎は淀みなく答えた。 朝に起きること。裏の薪を割り、畑を耕していること。のの除作業。そして、峰酒造と交わした契約の経緯。
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源次郎は引きしから、誠吾と取り交わした契約の正本を取りして差しした。 そこには、専の弁護士がち会ったで作成された、源の環境保全条項、集落の活用の最優先確保、そして適正な使用料の振込座に至るまで、極めて厳格かつ公正な条件が記されていた。
佐藤調査官は、契約のを目で追いながら、驚きを隠せない様子で顔をげた。 「……素らしい内容ですね。環境保全の観点からも、寸分の隙もありません」 さらに佐藤は、壁に掛けられた入れのき届いた具、チリつ落ちていない神棚、然と並べられた料の備蓄庫を見回した。 「佐伯さん。失礼ですが、おでこのの根のトタンを張り替え、裏の炭窯を修復されたというのは本当ですか?」 「ええ。、材を扱ってまいりましたから。自分のむくらい、入れするのは当たりのことです」 老職の澄んだ差しと、淀みのない受け答え。 そのち居振るいのどこを探しても、「判断能力を喪失した老」のなど、微もしなかった。