"箱詰めされた母の人生" 第8話
夫婦の財布に残っていた嘘
私はこれまで、輔の料をすべて管理していたわけではない。
毎、決めた額を共通座へ入れ、残りはそれぞれ自由に使う形だった。共働きなのだから、それで分だとっていたし、相の細かな費を監するような夫婦にはなりたくなかった。
だが過の資料を改めて並べると、自然な点がいくつも見つかった。
輔は昨、「会社の業績が悪く、ボーナスがかなり減った」と言っていた。
そのしから、郵便受けを異様に気にするようにもなった。
私が先に郵便物を取ると、「会社の類来てなかった?」と必ず確認した。
今えば、請求や督促の郵便物を私に見られないためだったのだろう。
弁護士には、借の名義、連帯保証の無、共通財産から返済がわれていないかをに理してもらうことにした。
「まず、ご自が署名した覚えのない契約については、資料をつずつ確認しましょう」
私は頷いた。
輔の借は、なくとも私が把握した範囲では彼個の投資と借り入れから始まっていた。
それでも、夫婦だから何でも自に無関係とは決めつけられない。だからこそではなく、類で確認する必があった。
相談を終えたあと、私は輔へ連絡した。
《今、おや婚に関する話は記録が残る形でお願いします》
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すぐに話が来たが、なかった。
《話ではなくメッセージでお願いします》
しばらくして、輔から文が届いた。
《本当に悪かった。母さんも反省してる。借は自分で何とかする。だから婚だけは考え直してほしい》
私は返信しなかった。
問題は借を返すかどうかではない。
母を騙していた、輔は毎私の顔を見て活していた。
夕をべ、週末の予定を話し、何事もないように眠っていた。
その方で母には、「歩美はあなたの話を迷惑がっている」と言い、私には「お義母さんは娘かられたいらしい」と言い続けた。
その活をく続けられたを、私はもう信頼できなかった。
数、輔が借り入れ先をまとめた覧を持ってきた。
計は約千百万円。
最初の投資で数百万円を失い、その損を埋めようと借をね、返済期限がづくたびにたな借り入れをしていた。
「最初に百万なくなった、言えばよかった」
私は覧を見ながら言った。
「分かってる」
「百万になったでもよかった」
「……うん」
「百万になったでも」
輔は何も答えなかった。
「でもあなたは、私に言う代わりにお母さんのへ目をつけた」
「違う。本当に最初から狙ったわけじゃない」
「それでも最に選んだのは同じでしょう」
私は類を閉じた。
輔は泣きそうな顔で私を見た。
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「怖かったんだよ」
「何が?」
「親父も昔、借でをめちゃくちゃにしたんだ」
初めて聞く話だった。
幼い頃、輔の父親は商売に失敗し、額の借を作った。そのことで族は何度も引っ越し、圭子は親戚へをげ続けたという。
「俺は絶対ああならないってってた」
「だから隠した?」
「おに『父親と同じだ』ってわれるのが怖かった」
私はしばらく黙った。
確かに、それは輔が嘘をねた理由のつなのかもしれない。
でも理由と免罪符は違う。
「怖かったなら、私に話すべきだった」
「分かってる」
「あなたが自分の失敗を認める怖さから逃げるために、お母さんをもっときな恐怖のへ落としたことは変わらない」
輔は唇を噛んだ。
「私はあなたの過を責めてるんじゃない。失敗したことだけなら、緒に考えたかもしれない」
輔が顔をげた。
「でも今は違う」
私ははっきりと言った。
「私は、借があるから婚するんじゃない。私と母の信頼をに換えようとしたとは、もう暮らせないから婚するの」
その言葉をにした、自分ので迷いが完全に消えた。