"四万円を断った朝" 第11話
勝ったとった男の顔
会議の空気が完全に変わった。
分まで、田は次期代表者を選ぶ側にいた。
今は、自分の説責任を問われる側にっている。
それでも彼はこの会社でき残ってきた男だった。
簡単には崩れない。
「銭の流れに疑義があるなら、しかるべき部署で調査すればいい」
田は落ち着きを取り戻そうとした。
「今の議題は島社の経営責任だ」
「同します」
私は答えた。
「だからこそ順序がです」
「何?」
「社解任を主導する物自に、会社資産流への関与疑惑がある。そんな状態で採決することが株主利益にかなうのか、判断してもらえばいい」
主株主のがを挙げた。
「第者委員会を入れるべきだ」
別の株主も続く。
「なくとも採決はいったん保留したい」
田派だった男たちまで、骨に距を取り始めた。
権力の周りに集まるは、権力が傾いたの逃げも速い。
耶がここで初めてをいた。
「私から提案があります」
全員が見る。
「本の私の解職議案について、私は逃げません。ただし、阪事業および関連取引について独した部調査を即始し、その次結果がるまで採決を延期してください」
田が反論する。
「稼ぎだ!」
耶は彼を見た。
「もしあなたが潔なら、数週待つことに何の問題がありますか」
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その言で田の顔が固まった。
私はので笑った。
耶の本当のさは、声を荒らげないところにある。
相が逃げようとするだけを静かに塞ぐ。
採決の結果、解任議案は保留。
部調査チームの設置が決された。
そののうちに、田と関係部署の報アクセス権は限定された。
私はそこで終わりだとっていた。
しかし耶はまだいた。
「報漏洩についても再調査します」
私に罪を着せた記録。
端末ログ。
アクセス権限。
自然な付けデータ。
部のデジタル調査会社へ渡す。
数。
私の端末から送信されたとされる通信記録は、実際には管理者権限で隔成された能性がいと判した。
接続元は私の机ではない。
報システム部の管理端末。
さらにその夜、田側の幹部が担当者へ直接連絡していた記録も残っていた。
私への疑いは正式に取りげられた。
方、阪事業の調査は広がった。
資材の架空搬入。
関連会社を通した費用の増し。
部企業への横流し。
個な利益供与の疑い。
田は役職をれ、正式な調査対象になった。
何かの幹部も辞任した。
私は警察が会議へび込んできて、そので錠をかけるような劇な面を像していたわけではない。
現実はもっと静かだった。
の位は、枚ずつ剥がれる。
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権限が止まる。
部がれる。
連絡が返ってこなくなる。
名のについていた「副社」が消える。
そして最に、本だけが残る。
田が本社をる。
私は階ロビーで偶然すれ違った。
最初に会ったの級スーツではない。
弁護士とで歩いていた。
田は私を見た。
「満か」
「何がです」
「私をここまで引きずりろして」
私はし考えた。
「別に」
「嘘をつけ」
「私が欲しかったのは、あなたの子じゃない」
「では何だ」
「自分がやっていないことを、やったことにされないです」
田の顔が歪んだ。
私は続けた。
「それだけです」
彼は何も言わずった。
ロビーの向こうから耶が見ていた。
あのと同じ所だった。
初めてここへ来た、私はだらけで、社員たちが彼女へをげる景を見てち尽くした。
今は誰も私をらないふりをしない。
それでも私は議と、その変化に酔うことはなかった。
戦いが終わった瞬。
私のに浮かんだのは、もっと別のことだった。
ここに残るのか。
それともていくのか。
今度は誰かに切られるのではない。
私自が選ぶ番だった。