"四万円を断った朝" 第7話
解雇されたからできること
翌朝、私は原グループへかなかった。
当然だ。
もう社員ではない。
代わりに、源の修理の古い机へ阪事業の資料を広げた。
会社から持ちした密資料ではない。入社から公報として入できる建設計画、登記の概、請け会社の公報、そして以の仕事仲から聞いた現の評判だ。
社員だった頃は、会社のにある数字ばかり見ていた。
しかし正が本当に現で起きているなら、会社の類をれた所にも必ず痕跡がある。
物流。
私はまず運送会社から当たった。
源には物流業界に古いりいがい。
そのの、黒田という元距運転が、物流の名を聞いて顔をしかめた。
「あそこか。最急に羽振りが良くなったところだ」
「何か聞いてます?」
「夜に資材がくって噂はある」
「建設現なら夜輸送は珍しくないでしょう」
「普通の現へくならな」
黒田は古い図をした。
物流の倉庫から阪の現へ向かうとは逆方向。
そこに複数の規模建設会社や資材問がある。
「正規のトラックが、たまにこっちへ流れてる」
私はペンで線を引いた。
原グループが購入した材料を、別会社へ横流しする。
帳簿は「現搬入」あるいは「保管廃棄」。
差額を関係会社と分配。
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仮説としては成する。
問題は証拠だった。
私は会社員ではない。
内部監査権限もない。
勝に倉庫へ入ればこちらが問題になる。
だから、法にから追える報だけを集めた。
トラックの入り。
公された許認報。
過の請け。
資材問。
数、の元運転へたどり着いた。
片桐という男だった。
半まで物流で働いていた。
最初は何も話さなかった。
「もう関わりたくない」
「田副社のことはっていますか」
目がいた。
「らん」
「物流が原グループの材料を別会社へ運んでいたことは?」
「帰ってくれ」
私はちがった。
無理に聞くつもりはなかった。
ただ、最につだけ言った。
「私もあの会社に潰されかけました」
片桐がこちらを見る。
「千万円の借持ちを報漏洩犯に仕てれば、誰も疑わないとったんでしょう。今は会社から追いされています」
「なら、もう関係ないだろ」
「関係ないから調べてるんです」
「何?」
「会社員だったは、与も肩きもあった。それを失った今は、逆に守るものがない」
私は苦笑した。
「借までありますから」
片桐はしばらく黙っていた。
そして、さな帳を机へ置いた。
「見せるだけだ」
には付、両番号、積載量、き先がきされていた。
正規伝票とは違う運記録。
「会社へす報とは別ですか」
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「運転同士で残してた。誰が何をどれだけ運んだか。賃がわないことがかったから」
私はページをめくった。
。
原グループ阪事業向け鉄筋百トン。
正式記録では現仮置き。
しかし帳では別の資材会社へ向かっている。
「この会社、っていますか」
「田の女が関係してるって噂だ」
私は顔をげた。
まだ決定打ではない。
だが、初めて内部類とは別の所から同じ線がた。
片桐は言った。
「つ忠告する」
「はい」
「夜の倉庫を直接見ようなんて考えるなよ」
私は黙った。
「警備もいるし、あそこは普通の物流会社じゃない。証拠を欲しがって無茶したら、おが犯罪者になる」
その通りだった。
私は帳の必部分について、本の承を得て写しを取らせてもらった。
現へ勝に侵入などしない。
代わりに、公から確認できる範囲と正規の取引先側から証拠を積みげる。
その夜、由依から度だけ連絡が来た。
番号非通。
「社からです」
「本は?」
「今は話せません」
「伝えてください。こちらはいていると」
由依はし黙った。
「あなた、本当にっていないんですか」
私は笑った。
「りましたよ。酒もみました」
「それで?」
「うどんをべたら治りました」
話の向こうで初めて由依がし笑った。
そして声を落とした。
「田副社が臨株主総会の準備を始めました」
私の表が消えた。
「目は?」
「島社の解任です」
「いつ」
「来週」
ったよりい。
「議決権は?」
「今のままだと、田側が過半数を取る能性があります」
私のにある帳の写しだけではりない。
正を暴く。
同に、耶を失脚させるきも止める。
は週。
私は話を握り直した。
「由依さん」
「はい」
「社に伝えてください」
窓ので、源が古いエンジンを始させた。
い音が全体を震わせる。
「次は、こっちの番です」