"三年前に署名させた離婚届" 第4話
『裕さん、今はごちそうさまでした♡ 楽しかったね!』
臓がドクンと激しくねがり、全の毛穴がキュッと収縮するのをじた。
見違いではない。違いなく、親密な女性からの私なメッセージだ。胸の奥でドス黒い嫌な予が渦を巻いた。私は震える指先で自分のスマートフォンを取りし、画面に表示されていたその送信者のアカウント名を検索バーに打ち込んだ。
検索結果に表示されたその女性のアカウント――「ミサ」という名のプロフィールをいた瞬、私はさらに息を呑んだ。
普段、プライベートな投稿を鍵付きの非公にしているがいで、そのアカウントはあろうことか、全体公に設定されていたのだ。
画面をスクロールしていくと、そこには悪のような現実が、眩いばかりの写真とともにずらりと並んでいた。
数に投稿されたばかりの写真には、級なホテルのバーで寄り添い、グラスを傾ける裕と若い女性の姿が写っていた。裕の顔は赤く気し、見たこともないような蕩けた笑みを浮かべている。
添えられたキャプションには、こう記されていた。
『今は最の夜だった♡ 裕さん好き。次はきりで沖縄旅きたいな!』
そして、その投稿に対する裕本の公コメントまで残されていたのだ。
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『それもいいな。ミサとなら、どこへっても最に楽しめそうだ』
血の気が気に引いていくのが分かった。の先が氷のようにたくなり、指先がガタガタと震えてスマートフォンの画面が激しく揺れる。
なぜ、こんなあからさまな貞の証拠が、誰にでも見られる全体公のに垂れ流されているのか。社内の同僚やに自したかったのか、それとも妻である私に対する無言の当てつけなのか。
りと混乱に震えながら投稿をさらに過へ遡っていくと、獄はどこまでも続いていた。
が週末に肩を寄せって級フレンチで事をしている写真。夜のでしっかりと指を絡めい、恋繋ぎをして歩くののアップ。リゾートホテルのとおぼしき所で、バスローブ姿で寛ぐ裕の横顔。
コメント欄には、ミサの友や同僚とおぼしきアカウントから、囃してるような言葉が溢れていた。
『お似いすぎる! 美男美女カップルだね♡』
『裕さんかっこいい〜! く結婚しちゃいなよ!』
そこには、庭のなど微もじさせない、完全なる恋同士の世界が構築されていた。私のらないところで、私の夫は、独の男のような顔をして若い女と逢瀬をね、周囲公認の倫を謳していたのだ。
あまりの悍ましさに、のが真っになった。
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激しいりと、元から奈落に突き落とされたような絶望が同に押し寄せ、界が歪む。
私は歯をいしばり、震える指で画面のスクリーンショットを片っ端から保していった。写真、付、キャプション、裕のコメント、そして友たちのき込み。枚も逃すことなく、すべての証拠を自分の端末へ記録し、クラウドへとバックアップした。
作業を終えた、ソファので寝息をてていた裕が、ふっと寝返りを打った。
私は保した画面を表示させたスマートフォンを握りしめ、ソファのに音もなくった。そして、え切った声で彼の肩を揺すった。
「裕。起きて」
「ん……あ……? なに、ナナ……もう朝か……?」
寝ぼけを擦りながら体を起こした裕の先に、私は発する画面を突きつけた。
「これ、何?」
「……は? 何の話だよ……眩しいな……」
「これよ。このSNSのアカウント。全部、ネットに全体公で載っているわよ。ミサって誰? なんでこんなに肩を寄せて、旅の約束なんてしてるの?」
裕の目が、画面に映る自分の顔を捉えた瞬、その瞳孔が恐怖で見かれた。酔っ払って赤らんでいた顔が、まるでペンキを塗り替えたかのように瞬で気へと変する。
「ちょ、ちょっと待て……! な、なんでそれをおが……! ご、誤解だ! これは誤解なんだよ!」
「誤解? どこが誤解なの? 誤解だと言うなら、今すぐ納得できるように説してよ」
裕はをパクパクと魚のように閉させたが、何も言葉がてこない。