"十八年勤めた売り場を追われた日、恩返しが始まった" 第10話
暴かれた帳簿
そのの正午。森孝志はのデスクので、きつ取れずに座り込んでいた。
部のには、本社の事監査部とコンプライアンス委員会の調査員が数名、仁王ちで待している。森の私物パソコン、帳、そして過半の業務報と発注データが、すでにすべて押収されていた。
ガチャリ、とドアがき、本社の営業本部がえ切った顔で入ってきた。そのには、監査部が先ほど印刷したばかりの分い調査報告が握られていた。
「森」
本部は机のに報告を叩きつけた。バサリ、とい音が内に響く。
「貴様がやってきたことの全容が、すべてらかになったぞ」
森はびくりと肩をねげ、震えるで鏡の位置を直した。
「ぶ、部……私は、あくまで本部の利益目標を達成するために……」
「まだそんな嘘を吐くか!」
本部のが、狭いを震撼させた。
「貴様が本部に提していた『件費削減実績』の裏で、何がわれていたか! タイムカードを定で切らせた、パートや契約社員に無で夜の清掃と棚卸しを制していた事実が、数名の証言によって裏付けられた! な労働基準法違反だ!」
森の顔から、完全に血の気が引いていった。
「そ、それは……現の自主な片付けでして……」
「言い訳は通用せん! それだけではないぞ。
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貴様が『廃棄ロス削減』と称してっていた改ざんもすべて暴かれた。賞期限の迫った商品を無理やり奥へ隠し、帳簿の廃棄率をく見せかけていたな? そのせいで、常連客から『惣菜の鮮度が落ちた』という苦が本部の相談窓に何件も届いていたんだ!」
本部の目は、もはやりを通り越して侮蔑に満ちていた。
「すべては、の事異で貴様が営業推部の子をに入れるための、っぺらな点数稼ぎだったというわけだ。そのために、現を支えてきた功労者を濡れで切り捨て、取引先との信頼を破綻させ、百貨の板にを塗った!」
森は子から滑り落ちるようににへたり込んだ。
「部……頼みます……! 格でも何でも受け入れますから、会社に残してください! 宅ローンも残っているんです! 子供の学費だって……!」
「自業自得だ」
本部は酷に宣告を差しした。
「本付で、職を即解任。懲戒委員会がかれるまでの、本社総務部付での無期限自宅待を命じる。退職の支、および損害賠償請求についても、法務部が検討に入っている。……荷物をまとめて、今すぐこのからてけ」
宣告を受け取る森のが、ガタガタと音をてて震えた。
自分がすべてをに入れているとっていた。契約社員を見し、数字を操り、権力を笠に着てのをもてあそんでいた男が、今、切れ枚で自らのキャリアのすべてを奪いられたのだ。
森がダンボール箱つを抱え、従業員通用から裏へといた、方都の空には容赦のない正午の直射が照りつけていた。
誰、見送る者はいなかった。
の誠実さを笑いばした男にされた、あまりにも当然の、そして取り返しのつかない報いだった。