"白米だけの夕飯を出されたので、家を出ました" 第9話
の朝
。
勤。
私は玄関へ向かうに公平と芳へ伝えた。
「今は度末の締めなので、帰宅は午頃になります」
芳はテレビから目もさず言った。
「じゃあ帰りにデパートへ寄ってきて」
「ですよ」
「限定のお菓子、今までなの。友達にあげる約束したのよ」
「デパートは閉まってます」
「仕事をちょっと抜ければいいでしょう」
私は首を振った。
「今は無理です。締めの最に抜けられません」
芳がようやく振り返る。
「嫁なのに、その程度のお願いも聞けないの?」
公平までを挟んだ。
「母さんの頼みくらい聞いてやれよ」
「仕事だから」
私はそれだけ言った。
靴を履いていると、背から芳の声が聞こえた。
「また答えしたわよ」
公平が笑った。
「ほどほどにしとけよ、母さん」
私は玄関を閉めた。
公平はらない。
このが、私が最にあの玄関をから閉めるになることを。
クローゼットに残してある私のは数着だけ。
化粧品も類もパソコンも、居にある。
そのの仕事は忙しかった。
度末は通常の末より処理がい。
夕方、取引先の数字に百円の差額がた。
たった百円。
でもそのままにはできない。
伝票を枚ずつ追い、原因を見つけた。
数字が致したのは午過ぎ。
経理の仕事は、わない数字を翌へ持ち越さない。
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持ち越せば、やがてきくなる。
私の結婚活は、くわない数字を持ち越してきた。
その、ようやく締める。
さんが帰り際、机へ温かいお茶を置いた。
「今夜だよね」
「はい」
「気をつけて」
「ありがとうございます」
午分。
会社をた。
のでは何も考えなかった。
今夜ここをます。
そう言うつもりだった。
それだけ言えばいい。
そのは原先へ任せる。
ところが、に着いて卓を見た瞬。
言う必すらなくなった。
芳と公平のには、特寿司。
私には米膳。
そしては自分たちから、
「でべてきなさい」
と言った。
私は最の確認をした。
「本当にでべてきていいの?」
公平は寿司へ醤油をつけながら答えた。
「好きにしろよ」
芳は笑った。
「反省したら帰ってきなさい」
とも。
私が帰ると信じ切っていた。
帰る所はここしかない。
そうっているから、して追いせる。
私はバッグを持った。
「分かりました」
「ついでにビールな」
公平の声。
振り返らなかった。
マンションをる。
駅の牛丼へ入った。
牛丼並盛。
噌汁。
卵。
数分、員が湯気のつ丼を置いた。
「お待たせしました」
何でもない言だった。
それなのに涙がそうになった。
温かい。
肉がある。
噌汁もある。
自分で払った事を、自分の好きなようにべられる。
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私はべ、わず呟いた。
「おいしい」
隣の客が瞬こちらを見た。
私はし笑った。
百円にも満たない夕。
でも米杯だけより、ずっと豪華だった。
スマートフォンをす。
さんからメッセージ。
《無事にられた?》
私は返した。
《今、牛丼べてます。数字、いました》
すぐ返事。
《乾杯》
そのに、アプリからの通があった。
《21:38 特握り 18,900円》
支払い。
私のカード。
私は画面を見つめた。
。
卓にあった桶はつ。
私の席には米。
残りのは、どこへった?
そして芳の言葉が蘇る。
《反省したら、おかずをしてあげる》
私はようやく理解した。
つ目の寿司桶は、最初から私の分だった。
私が謝ったら、蔵庫からすつもりだったのだ。
しかも、その寿司代まで私が払っている。
私はアプリをいた。
登録されている自分のカードを削除する。
の端末からのログインもすべて解除した。
その初めて。
私は本当にあのの卓かられた。