"白米だけの夕飯を出されたので、家を出ました" 第4話
「べ物で分からせるのよ」
代さんが帰る、玄関で私に携帯話の番号を教えてくれた。
「何かあったら話して」
「いいんですか?」
「姉のことで困ったら言って。私の言うことなら、あのもしは聞くから」
その言葉だけで、胸が軽くなった。
このので、自分の話をまともに聞いてくれるがいる。
それだけで救われた。
けれど芳は、廊の奥からその様子を見ていた。
に入ると、態度がらかに悪くなった。
私が朝「ってきます」と言っても返事をしない。公平にだけ「気をつけてね」と声をかける。
公平はある晩、私へ言った。
「母さん、最嫌悪いんだよ。お何かしたんじゃないの?」
「何かって?」
「らないよ。とりあえず謝っとけば?」
理由も分からないのに謝れ。
公平にとって、私が何をしたかはどうでもよかった。
母親の嫌が直ればそれでいい。
。
仕事を終えて午過ぎに帰ると、すき焼きの甘い匂いがした。
卓では芳と公平がべ終えたところで、卓コンロの鍋にはまだ割りが煮詰まっていた。
「あんたの分、残してあるわよ」
しだけ期待した。
私は取り皿を持って鍋のへ座った。
箸でを探る。
菜。
豆腐。
滝。
ねぎ。
何度探しても、肉は枚もなかった。
流しには「黒毛牛」とかれたトレーが枚、洗ってて掛けてあった。
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計千円以。
「お肉は?」
「公平にべさせたわ」
芳は湯呑みを持ったまま答えた。
「男はで働いて体力使うもの」
「私も仕事してますけど」
「事務でしょう?」
で笑う。
「座って卓叩いてるだけじゃない」
公平はテレビを見ながら笑っていた。
私は、その夜も助けを求めた。
「公平、聞いてた?」
「何が?」
「お肉、枚も残ってない」
「肉くらいでそんな顔するなよ」
「肉だけの話じゃない」
公平はリモコンを置き、面倒そうに私を見た。
「飯くらい自分で何とかしろって。コンビニでもけばいいだろ」
芳はその言葉を聞いて、勝ち誇ったようにお茶をんだ。
そして理由をにした。
「妹に言ったでしょう」
「何をですか?」
「私が麻子さんへなくしてるって。代に告げしたでしょう」
「言ってません」
「台所ででこそこそ話して、話番号まで交換してたじゃない」
あのぷらの。
代さんが自分で気づいただけだ。
でも芳には関係ない。
「内に告げする嫁に、いいお肉なんかべさせられないでしょう」
そこで初めて分かった。
肉を抜いたのは偶然ではない。
罰だった。
さらにか。
の曜。
昼に、芳は特のうなをつ注文した。
「今は私のおごりよ」
公平はんだ。
届いた箱はつ。
私の席には、さな梅干しのおにぎりがつ置かれていた。
苔さえ巻かれていない。
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「これは?」
「昨、私に答えした罰」
公平が吹きした。
「母さん、子供みたいなことするなよ」
そう言いながら、自分は鰻をべ続ける。
芳は悪びれもせず言った。
「嫁はね、べ物で分からせるのよ」
「べ物で?」
「私がお嫁に来ただって、姑に答えしたら次ののおかずは抜きだったもの。それでの嫁になったの」
芳は、自分が受けた仕打ちをんでいなかった。
正しい教育として覚えていた。
「反省したら、ちゃんとしたものをしてあげる」
私は梅干しのおにぎりをでべ終えた。
そのの夜。
公平と正面から話した。
「本当に何ともわないの?」
「何が?」
「あなたとお母さんはうな。私は梅干しのおにぎり個」
「嫌なら自分で買えばいいだろ」
「そこじゃない」
私は初めて、しい声をした。
「お母さんがわざと私だけ差別してる。それをあなたが横で笑ってる。そのことを言ってるの」
公平はしばらく黙った、信じられないことを言った。
「実はさ、唐揚げのから母さんに相談されてたんだよ」
「相談?」
「麻子はで言っても分からないから、ご飯で分からせるって」
私は公平を見つめた。
「ってたの?」
「最初はやめろって言ったよ。でも母さん、言いしたら聞かないだろ。だから好きにさせとけって」
唐揚げも。
肉のない鍋も。
梅干しのおにぎりも。
公平は最初からっていた。
見て見ぬふりをしていたのではない。
許していた。
「お願い」
私は度目の「助けて」をにした。
「回でいいから、お母さんにやめろって言って」
公平は顔をしかめた。
「母さんと揉める方が面倒なんだよ」
「面倒?」
「俺は毎仕事で疲れてる。に帰ってまで母さんとおのにちたくない」
そして、決定な言葉を言った。
「結局、麻子がすれば済むだろ」
その瞬。
私ので何かが終わった。