"白米だけの夕飯を出されたので、家を出ました" 第3話
しずつ軽くなっていった私の皿
芳との同居がにづく頃には、の空気は完全に変わっていた。
最初は料理の。
次は掃除。
洗濯。
帰宅。
私が何をしても、芳は必ずつ文句を見つけた。
末の締め作業で帰宅が午を過ぎると、玄関をけた瞬にリビングから声がんでくる。
「またこんな?」
芳は計を見せつけるように言った。
「普通の主婦ならにはにいるものよ。夫より遅く帰る妻なんて、私の若い頃じゃ考えられなかったわ」
公平はソファで缶ビールをみながら、テレビを見ている。
「母さんも悪気ないんだって。飯くらい自分で何とかしろよ」
私はめたおかずを子レンジで温め、でべた。
休に呂を掃除すると、
「昨私がやったのに、わざわざやり直すの?」
掃除しなければ、
「会社勤めのってのこと何もしないのね」
洗濯には公平と芳の類だけが入り、私の洗濯物はかごへ残されたこともある。
「公平の物と緒に洗わないでちょうだい」
「どうしてですか?」
「昔から、の者の物はの者だけで洗ってるのよ」
私はその言葉を聞き返した。
の者。
そこに私は含まれていなかった。
仕方なく自分のだけ夜遅く別に洗うようになった。代も気代も余計にかかる。その費を払う計座へ、私の方がくおを入れているのに。
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最初に卓の異常が目に見える形になったのは、だった。
珍しく午に帰宅すると、唐揚げが並んでいた。
公平の皿に個。
芳の皿に個。
私の皿には個。
その代わり、千切りキャベツがのように盛られている。
「私の分、これだけですか?」
わず尋ねた。
芳は平然としていた。
「夜にべ過ぎると太るでしょう」
私は公平を見た。
助けを求める線だったとう。
公平はビールをみながら笑った。
「母さんなりに気遣ってるんじゃない?」
そして自分の皿から唐揚げをつ取り、そのまま自分のへ入れた。
つも私の皿へ移さない。
「女はを過ぎたらすぐ太るの」
芳は箸の先で私のキャベツを指した。
「公平に恥をかかせないでちょうだい」
その唐揚げに使われた鶏肉は、に私のカードでネットスーパーから購入したキロ入りのものだった。
キロあれば、個だけで終わるはずがない。
残りは、いつのにか蔵庫から消えていた。
芳の昼になったのだろう。
それまでの嫌がらせは、言葉だった。
言葉なら聞き流せる。
でも皿に乗った唐揚げの数は、誰にでも見える。
公平にも見えていた。
見えているのに、何もしない。
その事実が番つらかった。
末。
私は寝で公平へ言った。
「お母さんとの同居、もうかだよ」
「そうだっけ?」
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「半の約束だったよね」
公平はスマートフォンを見ながら言った。
「今度、代おばさんが来るだろ。そのにの話すれば、母さんも聞くんじゃない?」
芳の妹、代さん。
昔から姉へはっきり物を言えるだと聞いていた。
公平自がその提案をしたことに、私はしだけ期待した。
「お願いね」
。
代さんが義父の仏壇へをわせに来た。
「麻子さん、いつも姉がお世話になっています」
玄関でそうをげてくれたは、芳側の親戚では代さんが初めてだった。
夕では、また芳が料理を取り分けた。
公平の皿にはぷらがつ。
芳もつ。
代さんもつ。
私の皿には、茄子のぷらつだけ。
代さんの箸が止まった。
「麻子さん、それだけ?」
私が答えるに、芳が笑った。
「この、はが細いのよ」
代さんは何も言わず、自分の皿から老のぷらをつ取って私の皿へ置いた。
芳の顔から笑みが消えた。
事の途。
代さんが尋ねた。
「姉さん、ところで自分のはどうするの? 空きのままだと傷むでしょう」
芳は瞬だけ言葉を詰まらせた。
「ちゃんとに見てもらってるから」
「誰に?」
公平が聞いた。
息子すららなかったらしい。
「所のよ」
芳はで答えた。
「昔からのお付きいがあるの。あんたが配することじゃないわ」
その。
私は初めて、芳の「帰れない理由」の奥に、何か別のものがあるような気がした。