"祖父の土地を勝手に道路にされたので、自販機を置いた" 第19話
俵のの男
方、その頃。 本の本側に位置する、鉛の空が広がる港町。
たいが吹きつけるプレハブの資材置きで、物の作業着を着た川端武郎の姿があった。 刑期を終えて所したものの、元引受もなく、億円の債務を抱えた彼を雇い入れてくれる所は、に喘ぐ方の解体業者の元作業員くらいしかなかった。
「おい、川端! 何ボーッと突っってんだ! くその廃材トラックに積み込め!」 の現監督から鳴りつけられ、武郎はビクッと肩を震わせた。
「は、はい! すぐやります!」 まみれの軍で、いコンクリートガラを抱えげる。 かつてイタリア製スーツをにまとい、ポマードで髪を固めていた男の面はどこにもない。 腰は曲がり、目は濁り、指先は荒れてひび割れていた。
昼休み、え切ったプレハブの片隅で、賞期限切れの割引パンをかじりながら、武郎はボロボロの古スマートフォンをいた。 検索窓に入力するのは、いつもの名。 【宇都宮】
画面に表示されたのは、建設コンサルタント会社のニュースリリースだった。 【綜建設コンサルタント・宇都宮級建築士が、国交通省都景観賞・優秀賞を受賞――持続能な域共型都計画のモデルケースとして評価】
写真のの私は、なスーツにを包み、仲たちと誇らしげに賞状を掲げていた。
その瞳は、眩しい未来だけを見つめている。
「…………」 武郎の指先が震え、スマートフォンの画面に涙が粒、ポトリと落ちた。
追いつこうとして、背伸びをして、の力を盗んでまでに入れようとした。 だが、そのは最初から、彼のような男のの届く所にはなかったのだ。 俵のへ転がり落ちた男には、もう度と、その俵にがる資格すらなかった。