"赤ちゃんの声が聞こえる姪が、夫の嘘を見抜いた日" 第2話
父親になっても変わらなかった夫
息子の悠真がまれたのは、よくれたの朝だった。
い陣痛を終えて初めて胸へ抱かせてもらった、指先ほどのさなが私の指を握った。あまりにもく、それなのに必な力をじて、私は何度も泣いた。
徹も病院へ来た。
「俺の子かあ」
そう言ってスマートフォンで何枚も写真を撮った。
そのだけは、私はした。
父親になった顔をしていたからだ。
ところが退院して週もすると、徹はほとんど育児をしなくなった。
夜泣きしても起きない。
おむつも替えない。
沐浴を頼めば「怖いから無理」。
休には「疲れている」と昼過ぎまで眠り、起きればでかける。
私はおきの授乳でほとんど眠れず、事を作る余裕さえなくなっていた。
「今だけでも、夜お願いできない?」
ある夜、私は頼んだ。
「仕事なんだけど」
「私も昨ほとんど寝てないの」
「おは昼寝できるだろ」
「赤ちゃんが寝なかったらできないよ」
徹は骨にため息をついた。
「仕事してないんだから、そのくらいやってくれよ」
その言葉に何も返せなかった。
私は妊娠まで同じ会社で働いていた。
仕事の変さも分かる。
だからこそ、育児も休みがないことを分かってほしかった。
しかし徹にとって、にいる私は「働いていない」
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になっていた。
さらに悪いことに、酒の量は増え続けた。
帰宅すると、悠真が泣くだけで嫌になる。
「うるさいな」
「赤ちゃんなんだから泣くよ」
「く黙らせろよ」
「そんな言い方しないで」
その瞬、徹の顔が変わった。
「俺に答えするの?」
以の徹とはえないい声だった。
悠真がさらに泣く。
徹はくにあったクッションを壁へ投げつけた。
「ガキがうるせえんだよ!」
悠真の体がびくりと震えた。
私は反射に息子を抱きげた。
「やめて!」
「俺が悪いのか? 仕事から帰ってきて休もうとしてるだけだろ!」
「鳴る必ないでしょう!」
徹は卓のにあった私の夕を、皿ごとへ落とした。
「だったら反省しろよ」
そう言い残して斎へ入っていく。
ドアが閉まった。
私は泣き続ける悠真を抱いたまま、そのからけなかった。
にはめた噌汁とご飯が広がっていた。
鳴り返したかった。
でも腕ので震える息子を見ていると、私まで声をすことができなかった。
「丈夫、丈夫だからね」
自分自にも言い聞かせるように、何度も繰り返した。
翌朝。
徹は何事もなかったように勤した。
謝罪はなかった。
それどころか玄関で靴を履きながら言った。
「昨のこと、いつまで引きずるなよ」
私は返事をしなかった。
その頃から、私は自分のにさな違を積みげるようになった。
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帰宅。
酒。
使った覚えのないカード細。
スマートフォンを伏せて置く癖。
呂まで携帯話を持っていく。
斎に入ると、以以に私をづけなくなった。
「掃除するよ」
「俺がやるからいい」
「は私がやってたじゃない」
「仕事の資料があるんだよ。触られると困る」
扉に鍵こそかけていなかったものの、私がしでもへ入ると骨に嫌を悪くした。
それでも私は、自分の考えすぎだとおうとした。
産でが定なのだ。
徹も突然父親になって余裕がないだけ。
何か理由をつけなければ、結婚した相が別になった現実を受け止められなかった。
そんな。
実で悠真のお披目会をするが来た。
両親は朝から料理を用してくれた。
兄も来た。
美久は初めて見る悠真をにして、最初は普通の歳児らしくはしゃいでいた。
「ちっちゃい! かわいい!」
さなを握り、頬を覗き込む。
やがて、急に静かになった。
「どうしたの?」
私が聞く。
美久は悠真を穴がくほど見つめていた。
数秒。
にっこり笑った。
「赤ちゃん、面いこと言ってるよ」
皆が笑った。
「何て?」
美久は振り返った。
そして。
徹を指した。
その瞬。
夫の表から、血の気が消えた。