"私にだけハズレ料理を出す義母の誤算" 第12話
永の『ハズレ』
子どもが歳を迎え、よちよち歩きを始めた頃。
義実からは、季節の変わり目ごとに、子からの荷物が届くようになっていた。級ブランドのベビー、育玩具、そして「お詫びの」。には、かつてのな態度は見るもなく、震える文字で訴が綴られていた。
『真希さん、私が本当に浅はかでした。どうか度だけでも、孫の顔を見せてください。玄関先で構いません。抱っこできなくても、くから見るだけでいいのです。お願いします』
私はそのを読すると、迷うことなくゴミ箱へと放り込んだ。添えられていたや玩具も、度も袖を通すことなく、すべて児童福祉施設へ寄付の続きをとった。
物で罪を購おうとするその浅ましさが、相変わらず虫唾がるほどだった。
隆は今、アパートで暮らしを続けながら、週末ごとに私の実へ通い、父親としての務めを果たそうと必に汗を流している。オムツを替え、乳をべさせ、庭で子どもをあやす夫。彼は今も、いつか私が義実を許し、元の鞘に収まるが来るのではないかと淡い期待を抱いているようだ。
ある、庭で遊ぶ息子を見つめながら、隆がぽつりと尋ねてきた。
「なあ、真希……。あいつが『分別がつく齢』って、何歳くらいだとう? 学くらいになれば、しは分かるようになるのかな……」
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私は洗濯物を干すを止めず、穏やかな笑みを浮かべて答えた。
「そうねえ。の悪をちゃんと見抜いて、自分を守るための嘘と真実を正しく判断できるようになる齢だから……学を卒業して、社会にて、自分のできていけるようになってからじゃないかしら」
「えっ……に、歳……!?」
隆が絶句して目を丸くした。
「その頃には、息子も自分で会うか会わないか決められるでしょう? 祖母がかつて自分の母親にどんな事をしていたか、事実をすべて教えたでね。彼が『会いたくない』と言ったら、それまでよ」
隆の顔から、完全に希望のが消えった。
。その、子がこの世にいるかどうかも分からない。
く義実のリビングで、今頃あの姑は、え切った卓に向かいながら、きりで悔に苛まれていることだろう。
——「今は誰がハズレを引くかしらね〜?」
あの、勝ち誇った顔で嘲笑った女。
彼女が引いた最のハズレは、息子の嫁ではなく、自らが蒔いた悪の種によって招いた、孤独で惨めな余そのものだったのだ。
青く澄み渡る空の、息子が無邪気に笑いながら、私の元へと駆け寄ってきた。
私はそのさな体を力く抱きげ、柔らかな頬にそっとづけを落とした。もう度と、この子の未来に暗いを落とさせはしない。
あふれる実の庭に、子どものるい笑い声だけが、どこまでもく響き渡っていた。