"私にだけハズレ料理を出す義母の誤算" 第11話
無垢なる誕
れのよい、私は内の産婦科で、千百グラムの元気な男の子を産した。
陣痛の苦しみを乗り越え、胸のに抱きげられたが子は、温かく、柔らかく、力い産声をげていた。指を差しすと、さな掌がきゅっと握り返してくる。
「よく頑張ったな、真希」
病でち会ってくれた両親が、涙を浮かべて私のを撫でてくれた。そこには、憎しみも恐怖もない、ただ純粋な命のびだけが満ちていた。
翌、連絡を受けた隆が、束を抱えて病に駆け込んできた。
「真希……! 産まれたんだな……! 男の子か!」
隆はが子の顔を見て、ぼろぼろと涙を流した。父親になったという実が、ようやく彼の未熟なを震わせたのだろう。
「抱っこ……してもいいか?」
「ええ、いいわよ」
おずおずと赤ん坊を腕に収める隆。その姿を見つめながら、私はベッドのから静かに釘を刺した。
「隆さん。誓約のこと、忘れてないわよね」
隆の体がピクリと張った。
「わ、分かってるよ……。母さんには、写真も送ってない。ただ……話で、泣きながら『目だけでいいから、ガラス越しでもいいから見せてほしい』って……」
「ダメよ」
私の声には、欠片の揺らぎもなかった。
「約束は約束。破れば、即座に婚届を提して、親権は私が取る。この子に、悪と嘘で塗り固められたをづけるつもりはないわ」
隆は唇を噛み締め、悔しそうに俯いたが、それ以何も言い返すことはできなかった。自らが犯した罪のさと、妻が度とに流されないという現実を、骨の髄まで理解していたからだ。
退院、私はそのまま実での活を続けた。
実の庭には、の陽が柔らかくり注ぎ、母の作る栄養満点の事が毎卓に並んだ。炊きてのいご飯、骨を本本丁寧に取り除いた魚の煮付け、澄んだ汁の効いたお吸い物。
べることは、きること。そして、事を作ることは、相の命を慈しむことだ。
子が踏みにじったのは、単なる事のメニューではなく、ととの信頼そのものだったのだと、温かい卓を囲みながら改めて実していた。