"私にだけハズレ料理を出す義母の誤算" 第3話
兆しと沈黙の準備
季節はへと移り変わり、を迎えていた。
その頃、私の体には決定な変化が起きていた。以から続いていた微と倦怠、そして朝方の激しい吐き気。産婦科での診察を受け、医師から渡されたエコー写真には、さな命の胎がはっきりと写しされていた。
妊娠ヶ。待望の第子だった。
しかし、私はこの事実を、夫である隆にすら打ちけていなかった。
本来であれば、夫と共にを取りってびを分かちうべき瞬である。だが、これまでの義実での夕会、そして母を盲信して私を罵倒し続けた隆の姿をい返すたび、たい楔(くさび)が胸に打ち込まれた。
もし今、妊娠を告げればどうなるか。
「うちの跡取りだ!」と子は義実に私を呼びつける頻度を増やすだろう。そして、「妊婦にはこれが体にいいのよ」と微笑みながら、さらに悪質な、胎児にすら響を及ぼしかねない細を施した事をしてくるのではないか。
——このたちに、無防備な私の体を晒すわけにはいかない。
私は実の両親にだけ、話で事実を伝えた。同じ内にむ私の両親は、元の公で教鞭を執っていた父・信幸(のぶゆき)と、温で几帳面な母・静(しずえ)。
受話器の向こうで、母は涙を流してんでくれたが、私がぽつりぽつりと漏らした義実での来事を聞くや否や、父の声音が変した。
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『真希、そんな仕打ちを受けていたのか……? なぜもっとく言わなかったんだ』
「お父さん、ごめんなさい。隆さんが『俺の親を悪く言うな』って聞くを持たなくて。でも、もうの限界なの。お腹の子を守るためにも、いうちに決着をつけるつもり」
『分かった。里帰り産の続きはうちで全部配しておく。荷物もいつでも送ってきなさい。おとお腹の子の全が最優先だ。……あちらのがどんな方をしてきても、お父さんとお母さんが絶対に守るからな』
両親のろ盾を得たことで、私のから迷いは完全に消えった。
私は連休を利用して、産院で必となるの回りの荷物や、実に置いておきたい貴品、通帳などをしずつ宅配便で実へと送り始めた。隆は仕事と趣のゴルフにで、クローゼットの私の装ケースがしずつ軽くなっていることにすら気づかなかった。
そして、妊娠ヶに入り、医師から「順調に定期に入りました」と告げられた週の週末。
再び、あの呪わしい「義実めし」のがやってきた。
を運転する隆が、バックミラー越しに私に声をかける。
「おい真希、今は嫌良くしろよ。母さんが朝から腕によりをかけて準備してくれてるんだからな。またおかしな言いがかりつけての空気を悪くするなよ」
「……ええ、分かっているわ」
私は膝ののバッグをそっと撫でた。には、母子帳と、これまでのすべての夕会のメニューと「細」の詳細を分単位でき留めた帳が入っていた。
今の夕会。子がどのような罠を用しているのか。
そしてそれが、この族の破滅の引きになることを、彼らはまだる由もなかった。