"家族投票の三日後" 第15話
へ放りされた虚飾
執官の号令とともに、名の専警備員が斉にを始した。
「やめて! 触らないで!」 結が狂乱して暴れるが、警備員たちは無言のまま彼女の両腕を固定し、引きずり起こした。 のに飾られていた結の級ブランドバッグ、貴属、そして昭夫が客に見せびらかすために飾っていた代物の酒の数々が、無造作に黒いゴミ袋へと詰め込まれていく。
「俺の酒だ! 本万するんだぞ!」 昭夫が警備員にびかかろうとした瞬、同していた制警官が素く割って入り、昭夫の腕をねじりげた。 「公務執妨害です! それ以暴れるなら、現犯逮捕しますよ!」
「うぐっ……痛い、痛い! せ!」 畳のにねじ伏せられる元旦の無残な姿。
親戚たちはといえば、先にとちがり、脱兎のごとく広のへ殺到していた。 「私はただ事に来ただけです!」「野のじゃありません!」 昨まで「美緒を追いせ」と囃してていた親族たちが、自分たちの保のために蜘蛛の子を散らすように逃げしていく。 見栄とだけで繋がっていた族の絆など、脆い砂の楼閣に過ぎなかったのだ。
渡り廊を通って、玄関へと引きずりされる昭夫、加代子、結の。 の砂利には、すでに彼らの私物が入った量の黒いゴミ袋と段ボール箱が、無造作に積みにされていた。
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「私のドレスが……! 私の宝がだらけじゃないの!」 結が砂利のをい回りながら、破れた京友禅をで汚して叫ぶ。
そこへ、館内からよし子さんをはじめとする従業員たちが、斉に姿を現した。 彼らの顔には、かつて向けられていた怯えや媚びは切なかった。 ただ、理尽な暴君たちを見ろす、ややかな軽蔑のだけがあった。
「お、おい、よし子……!」昭夫がすがるようにを伸ばす。「おからも美緒に言ってくれ! 俺をずっと支えてくれたおなら……!」
よし子さんは歩にみると、々と私に礼し、そして昭夫に向き直って凛とした声で言い放った。
「旦様。……いいえ、野さん。私たちは、この旅館の板をして働いてきました。けれど、あなた方がしていたのは、自分たちの見栄だけでした。美緒社のおかげで、私たちはようやく、本当の誇りを取り戻すことができます。……度と、この敷居を跨がないでください」
従業員全員が斉にをげ、そして背を向けた。 残されたのは、真の炎、砂利のに放りされた、惨めなつのだけだった。