"家族投票の三日後" 第14話
のひら返しの「族の絆」
残されたのは、崩れ落ちた野のだった。
「み……美緒……」 母の加代子が、膝を擦りながら私の元へい寄ってきた。 数分まで「お荷物の事務員」と罵っていた娘に対し、両をわせ、ボロボロと粒の涙を流している。
「美緒、お母さんが悪かったわ! 全部、あの翔太って男に騙されていたのよ! あいつがあなたを追いせって唆したの! 私たちは本当は、あなたと緒に暮らしたかったのよ!」
「そう百%だ!」 父の昭夫も、畳にを激しく打ちつけながら叫んだ。 「美緒! 血の繋がった親子じゃないか! おがこの旅館のオーナーなら、俺たちが経営を伝ってやる! これからはおを社としててるから! なあ、族だろう!?」
「族?」 私のから、乾いた笑いが漏れた。
「どのが『族』なんて言葉を使うの?」 私はコートのポケットからスマートフォンを取りし、画面を結の目のに突きつけた。 そこには、に彼女が送りつけてきたLINEの文面が、鮮にっていた。
『族投票で決まったんだから、度と私たちのに顔を見せないでよね』『もう私たちはお互い族でも何でもない、赤のなんだからね』
結が息を呑み、顔面を蒼にして退る。
「さらに、昨夜。あなたたちはよし子さんを通じて、私にを寄越したわね。『個の貯を全額砂楼の座へ振り込め。
全財産を差しすなら、み込みの事務員として雇ってやる』と」
昭夫の顔から、完全に気が失われた。
「あの、ペントハウスのシュレッダーで細切れにして捨てたわ」 私の声は、絶対零度の静寂そのものだった。 「都のいいだけ『族』という鎖で私を縛り、利用価値がなくなれば『数決』でゴミ箱へ放り込む。……あなたたちが自ら捨てたのよ。私というを、そして族という名の盾をね」
「美緒……頼む……! くところがないんだ! このでに迷ったら、俺たちはぬしかないんだよ!」 昭夫が泣き叫ぶ。
「ぬ気できなさい」 私は瞬で切り捨てた。 「のけを踏みにじり続けたが支払うべき、当然の対価よ」
執官が懐計を確認し、をく掲げた。 「退期限の刻限である! これより、制執を始する!」