"家族投票の三日後" 第6話
融資凍結の引き
「……なるほどね。すべてのパズルが繋がったわ」
私は元の調査報告をデスクに伏せ、えたダージリンティーをに含んだ。 、砂楼が億千万円の借を背負わされた。な級絵画の購入、相の倍の清掃委託契約、そして利のノンバンクからの迂回融資。当、両親を言葉巧みに騙したコンサルタント・黒沼と、條翔太は学の同窓であり、裏で繋がっていたのだ。
「翔太氏は、自らのリゾート発の失敗による億円の焦げ付きを隠蔽するため、黒沼の残した『つかずの獲物』である砂楼に目をつけたわけですね」 黒川が徹に補する。
「ええ。結を誑かして婿に入り、老舗旅館の広な敷を担保にしてから規融資を引きす。その資を自のダミー会社へ還流させ、自分だけが助かる算段だったのよ」 私の唇の端に、酷な笑みが浮かんだ。
「でも、れな翔太さん。彼は決定な事実をらない」
「砂楼のも建物も、すでに、社のによって買い取られ、担保としての価値など欠片も残っていないという事実ですね」
「それだけじゃないわ」 私はノートパソコンを引き寄せ、投資部の最決裁画面をいた。 画面には、グローバル・エステート社から申請されていた、【事業再支援融資・総額億円】の決裁が表示されていた。
広告
社内審査は通過し、あとは最責任者である私の「最終子承認」を待つだけの状態だった。 この融資がりなければ、グローバル・エステートは来末の形を落とせず、連鎖倒産する。そして翔太は、背任と横領の罪で刑事告発され、破滅する運命にある。
「翔太さんは、自分がゴミのように見し、昨夜追いした女こそが……自分の会社の殺与奪の権を握る絶対の支配者だとは、にもっていないのね」
私は迷うことなく、画面の【否決・融資無期限凍結】のボタンをクリックした。 パチン、と乾いたマウスクリックの音が、静かな社に響く。
「凍結完いたしました」 黒川が確認のタブレットを見やる。
「ただし、黒川先。この融資凍結の事実は、――の午まで、厳に秘匿して。先方の経営陣にも、翔太本にも切らせてはならないわ」
「泳がせておくわけですね。もっともい所へ登らせてから、真っ逆さまに落とすために」
「ええ。最のれ台で、で番幸せだと信じ込んでいるその瞬に、すべてを叩き潰してあげるのが、最の礼儀でしょう?」
窓のには、真の青空がどこまでも広がっていた。 愚かな共犯者たちをまとめて獄へ叩き落とすための引きは、すでに引かれたのだ。