"妻のスマホに残っていた半年先の「2名様」" 第8話
でべる練習
何分くらい経ったのか分からない。
私はをみ、もう度便箋をいた。
美の字は、以よりし震えていた。
《本当は、で来たかった。》
《半なら丈夫だとってた。今も、たぶん丈夫だとってる。》
そこまで読んで、私は息を止めた。
をいたの美は、まだきるつもりだった。
を確信して残した遺ではない。
未来を信じながら、それでも万がのためにいただった。
《でも、もし私がいなかったらって考えて、おのにしだけお願いしました。直さんは、だとちゃんとしたご飯をべなくなるから。》
わず笑った。
半の活を見られていたようだった。
スーパーの弁当。
カップ麺。
凍炒飯。
たまに織が持ってくる煮物。
美の予はほとんど当たっている。
《記にしようかとったけど、やめました。》
《記にすると、毎このと私をセットでいすでしょ。》
私はそこで顔をげた。
なぜ何でもない曜だったのか。
答えがいてあった。
《だから、何でもないにしました。》
《今は私をいすじゃありません。》
そして最に、こうあった。
《でご飯をべる練習をするです。》
そのに、さく追伸があった。
《ちゃんとデザートまでべて帰ること。残したら佐々さんに分かります。
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私は声をして笑った。
笑いながら、涙が落ちた。
慌ててハンカチをす。
周囲の客は誰もこちらを見なかった。
佐々が、席をししてくれていた理由も分かった。
次の料理が運ばれてきた。
私はべた。
で。
魚料理も、肉料理もべた。
美なら「そっちちょうだい」と言っただろう。
私が嫌がると、自分の皿をこちらへ押しながら「じゃあ交換」と言った。
今は交換する相がいない。
それでもべた。
最に、さな苺のデザートがた。
半スマートフォンの写真で何度も見た、べかけのケーキをいした。
私はも残さなかった。
会計を済ませる、佐々が聞いた。
「お料理、いかがでしたか」
「美しかったです」
私は答えた。
「全部べました」
は微笑んだ。
「奥様にご報告できますね」
私はし考えてから言った。
「報告する相がいないんですけどね」
「そうですね」
は否定しなかった。
そのことがありがたかった。
をる。
駅までのを1で歩いた。
寂しかった。
を読んだから楽になったわけではない。
むしろ美の声がくなった分、会いたい気持ちはくなった。
それでも、何かがしだけ変わっていた。
妻が残したかったのは、いだけではなかった。
自分がいなくなったも、私が夕をべ、に乗り、へ帰る。
そんな当たりのを続けるための、最初のだった。
へ帰ると、テーブルのに美のスマートフォンがあった。
カレンダーにはまだ、
《ル・シエル 19》
と残っている。
私は予定を消さなかった。
その代わり、次の曜をいた。
予定をつ追加した。
《夕》
はまだ決めていない。
数もかなかった。
もう分かっている。
でく。
ただ、そのの私はまだらなかった。
美が私に残した「練習」は、事だけではなかった。
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