"産後5日、家を売られた私の人生やり直し" 第3話
実の畳で聞いた事実
静岡を過ぎた頃から、私は自分の判断を悔し始めた。
体がい。
座っているだけで腰が痛み、ちがると目のがくなる。陽菜が泣くたびに乗客へをげ、駅の授乳を探し、乗り換えのたびに荷物と赤ん坊を抱えて階段を移した。
夜く。
ある駅でちがった瞬、から力が抜けた。
くにいた女性が腕を支えてくれた。
「丈夫ですか?」
駅員も駆けつけた。
事を聞かれた私は、そこで初めて「産から5です」とにした。
駅員の顔が変わった。
「それで赤ちゃんを連れてで移してるんですか?」
待へ案内され、を渡された。
結局、私は両親へ話した。
母は最初、私の声を聞いてんだ。
「美緒? 退院したの?」
次に私がいる駅名を言うと、沈黙した。
「どうしてそんなところにいるの?」
「お母さん」
声が震えた。
「迎えに来て」
それだけで、母は何かを察した。
父がで向かい、途の駅まで来てくれた。
け方。
父のが見えた、私は初めて泣いた。
助席からびりた母が陽菜ごと私を抱いた。
「何があったの」
「がなくなった」
それ以は、すぐ言えなかった。
実へ着き、古い畳の部へ座った。
陽菜を、私が子供の頃に使っていたというさなベビーベッドへ寝かせる。
父と母ので、私はつずつ話した。
マンションが売られていたこと。
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具が全部なくなっていたこと。
貯がほぼ消えていたこと。
婚届が用されていたこと。
由紀という女性。
父は途から言も話さなくなった。
母は何度も元を押さえた。
「どうして病院にいるに……」
「最初から、この5を使うつもりだったんだとう」
私はスマートフォンをした。
から届いた変更通。
産会社の名刺。
婚届の写真。
との写真。
全部残していた。
父がい声で言った。
「警察へくぞ」
「そのに、役所で確認する」
婚届が本当に提されたのか。
私はまだ信じ切れていなかった。
午9を過ぎ、以んでいた区の戸籍担当へ話した。
本確認を経て、現の状態について案内を受ける。
担当者の答えを聞いた瞬、がたくなった。
婚届は提されていた。
私は署名していない。
その事実を伝えると、担当者の調も変わった。
「ご本のに基づかない届ということでしたら、庭裁判所で無効確認の続を検討していただくことになります。届の内容について確認が必であれば、証類の取得方法もあります」
「受理されたら、もう戻せないんですか」
「受理されたことと、法律効かどうかは別の問題です」
その言で、私は初めて顔をげた。
達也の枚で、全部が確定したわけではない。
話を切った直。
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スマートフォンが震えた。
今度は達也だった。
《は売った。もう戻ってもないから》
続けて文章が来る。
《おの座のは会社のちげに使った。夫婦のなんだから問題ないだろ》
《婚届もした》
《子供はそっちで育てていい。俺は由紀としいを始める》
最に。
《これ以連絡してくるなら番号変えるから》
私は画面をスクリーンショットした。
以なら、すぐ話して鳴っていたかもしれない。
だが今は違った。
達也自が証拠を送ってきている。
「お父さん」
私は顔をげた。
「これ、消さないで全部残す」
父が頷いた。
そのの午、が設けている法律相談へった。
担当したのは50代半の女性弁護士だった。
私は来事を順番に説した。
弁護士は途で何度も確認した。
マンションの名義。
の所。
預座の名義。
達也が座へアクセスできた経緯。
婚届の妻欄の跡。
の証。
「まず」
弁護士は静かに言った。
「ご主が勝にいた婚届だからといって、あなたが泣き寝入りしなければならないわけではありません」
私は唇を噛んだ。
「本当に戻せるんでしょうか」
「なくとも、無効を争うための続はあります。それに預の件も、夫婦だったから何をしてもいいという話ではありません」
「は?」
弁護士はし考えた。
「登記がご主単独なら、売却自体をから覆すのは簡単ではないでしょう。
ただ、や婚姻に形成した財産について別途理すべき問題があります」
全部を気に取り戻せるわけではない。
でも、全部を諦める必もない。
私は初めて、そのにがあることをった。
問題は費用だった。
本格に依頼するには、私にとってさくない額が必になる。
弁護士は法テラスなど利用できる制度も調べるよう教えてくれた。
相談をた。
私はまだ無文にかった。
けれど昨までと違うことがつあった。
達也は「終わった」と言った。
実際には、まだ何も終わっていなかった。
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