"娘夫婦に貸した愛車を「名義変更して」と言われた日" 第13話
拓也がしずつ借を返していること。
そして、あのをもう売ったこと。
「結構、乗ったぞ」
返事はない。
当然だった。
それでも私は、佳代なら何と言ったか像できた。
たぶん、「あなたがそんなを買うなんて」と最初は呆れ、そので「でも楽しそうだからいいんじゃない」と笑っただろう。
墓をる、美咲から話が来た。
「今、夜うちに来ない? 陽斗がお祝いしたいって」
「くよ」
「迎えにこうか?」
私は駐にある自分のを見た。
「いや、自分でく」
「分かった。気をつけてね」
話を切った。
夕方、娘夫婦のへ向かうにへ寄った。
記帳すると、今分の7万円が入っていた。
残はまだ数百万円ある。
完済までには、もう何かかかるだろう。
私は急いでいない。
通帳を閉じ、へ戻った。
ポケットから鍵をす。
2、拓也から「名義を変えてください」と言われた夜、私はを失うことにっているのだとっていた。
けれど本当に嫌だったのは、別のことだったのかもしれない。
「もうあまり使わないでしょう」
「距運転もきついでしょう」
「どうせ最は娘のものになるでしょう」
そんな言葉のつつによって、自分のの残りを、勝に誰かの予定表へ組み込まれたことがしかったのだ。
親だから助ける。
子どもだから頼る。
族だから貸す。
それ自体は悪くない。
私も、これから美咲が本当に困ったにはを貸すだろう。
ただし、貸した物がいつのにか相の物になることはない。
助けてもらったことが、当然の権利に変わることもない。
そしてを取ったからといって、自分の持ち物ややを、自分で決める権利までさくなるわけではない。
私は運転席へ座った。
エンジンをかける、部座席を見ると、陽斗が回置き忘れたサッカーボールが転がっていた。
私はそれを見て笑った。
今夜返せばいい。
返してほしいに返してもらう。
必ならまた貸す。
それで分だった。
私は自分ので鍵を回した。
そして、自分で決めたき先へ向かってをらせた。