"娘夫婦に貸した愛車を「名義変更して」と言われた日" 第8話
治療は3続き、結局帰ってこなかった。美咲はよく病院へ来てくれたし、拓也も陽斗を連れて見いに来た。
だから私は、彼を悪い婿だとったことは度もなかった。
は、最初からきな嘘をつくわけではないのかもしれない。
500万円の投資も、最初は「族を豊かにしたい」という気持ちだったのだろう。損をし、母から借りた300万円を説できなくなり、私への返済をしたことにした。さらに毎5万円を流用し、穴がきくなるたびに次ので埋めようとした。
も同じだった。
半借りる。
便利だからもうし使う。
どうせ義父はあまり乗らない。
いつか娘の物になる。
だったら今、名義を変えてもきな違いはない。
つつだけ見れば、拓也のでは「しくらい」とえたのだろう。
しかし積みなった結果、彼は名義の420万円のを、自分の購入資として販売へ持ち込むところまで来ていた。
私はその経緯を考えながら、自宅の庫で久しぶりにを洗った。半ぶりに戻った紺の体には、陽斗が貼ったらしいさな形のシールが部窓に残っていた。
剥がそうとして、私はを止めた。
陽斗には何の責任もない。
私はそのシールだけ残した。
翌25、私の座へ5万円が振り込まれた。
《タカセ ミサキ》
通帳に印字された文字を見た、額そのものよりも、ようやく数字が現実と致したことに堵した。
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1000万円に対する5万円などさな額だが、返済とは本来こういうものだ。誰が、いつ、いくら払ったのかが双方に残る。
美咲は計を完全に見直した。使っていなかった保険を理し、拓也は会社のみ会や趣の支を減らした。600万円のミニバンは当然キャンセルし、30万円の申込は数料を差し引いて戻ってきた。
については、150万円ほどの古をローンで買うことになった。
「もっといのでもいいんじゃないか」
私が言うと、美咲は笑った。
「今度は自分たちのおだから、自分たちで考える」
その言葉を聞き、私は何も言わなかった。
ところが計を理する過程で、もうつ問題がてきた。
拓也の母、子だった。
「300万円は返してもらわないと困ります」
子から私へ直接話があったのは、返済が始まって2週ほどだった。
「それは拓也君と話してください」
「でも修司さん、そちらへの1000万円は急がなくてもいいでしょう。親子なんですから」
私はわず笑いそうになった。
「子さんも、拓也君の親ですよ」
「うちは余裕がないんです」
「私の1000万円なら余裕があるといましたか」
子はしばらく黙った。
話を聞けば、彼女も息子から正確な説を受けていなかった。3、拓也から「義父への借を部返したいが、子どもがさくて余裕がない」と頼まれ、300万円を貸したという。
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つまり拓也は、母には「義父への返済」と説し、美咲には「義母からの借はない」と隠し、実際には500万円を投資へ回していた。
子も被害を受けていた。
しかしの件は別だった。
「それなら、なぜの申込をしたんですか」
私が聞くと、子はし言葉に詰まった。
「拓也が、今使っているはいうちに美咲さんのものになると言ったんです。修司さんも承していると」
「私は度も承していません」
「でも、いずれ美咲さんが相続するのでしょう?」
また同じ言葉だった。
私は静かに答えた。
「私、まだきていますよ」
話の向こうが静かになった。
「私がきている、私の財産をどう使うか決めるのは私です。娘に残すかもしれないし、売るかもしれない。旅に全部使うかもしれない。それは私が決めることです」
子は謝った。
そのの夜、私は初めて、美咲にも同じことを伝えた。
「もも預も、おに残すと約束したことはない」
美咲はし驚いた顔をしたが、やがて頷いた。
「うん。それでいい」
「らないのか」
「だったら、ちょっとったかもしれない。でも今は分かる。まだお父さんのが続いてるんだもんね」
その言葉は、私がこの数かで番聞きたかった言葉だった。
拓也との関係は、すぐ元には戻らなかった。
に度、美咲と陽斗は私のへ来たが、拓也はしばらく顔を見せなかった。