"兄夫婦を亡くした日、5歳の双子を家族にした" 第11話
収入もしがる。
担当できる仕事も変わる。
以の私なら、それを「負け」だとっただろう。
けれど今は違った。
全部を同に最化しようとして、で倒れるほうが無責任だ。
「子供たちがもうしきくなったら、また勤務を増やしたいです。それまでは、今の活を守れる働き方にしたいです」
医局は頷いた。
「分かりました。員配置を含めて考えましょう」
病院をたとき、空はまだるかった。
保育園へ迎えにく。
蒼依が私を見つけてってきた。
「今い!」
「いでしょう」
「なんで?」
私は笑った。
「く帰るって決めたから」
それはさな言葉だった。
けれど私にとっては、自分のの優先順位を自分で決めた最初の宣言だった。
のある、スーパーで兄夫婦の元隣だった本さんに会った。
「あら、美緒ちゃん」
「お久しぶりです」
「あの子たち元気?」
「はい。から学です」
「まあ、もうそんなに」
そこまでは普通の会話だった。
本さんはし声を落とした。
「でも、かわいそうねえ。やっぱり本当のお父さんとお母さんじゃないと」
悪はない。
だからこそ厄介だった。
以の私なら、笑いをして終わらせていただろう。
けれど今は、言わなければならないとった。
「かわいそうな子ではありません」
本さんが目を瞬いた。
「もちろん、両親をくしたことはしいです。
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それは消えません。でも、今の2まで全部かわいそうだと決めないでください」
「そんなつもりじゃ」
「分かってます」
私はしだけ笑った。
「でも、私たちはちゃんと族をやっていますから」
帰宅すると、蓮と子供たちがに座ってゲームをしていた。
向が負けそうになり、真剣な顔で蓮の駒を隠そうとしている。
「見えてるぞ」
「見えてない」
「俺の駒返せ」
蒼依が笑っている。
私は買い物袋を台所へ置いた。
完璧な族ではない。
血のつながりも、名字も、役割も、枚のにきれいには収まらない。
それでも私は、もうこの形を恥ずかしいとわなかった。
夕、向が学から渡された族紹介の用を持ってきた。
《いっしょにすんでいるひと》
鉛で名をく欄がある。
向は最初に《あおい》といた。
次に《みおちゃん》。
そのに《れんさん》。
そしての端へ、さく《パパ こうじ》《ママ かおり》といた。
「先、くなったはかなくてもいいって言った」
向が言った。
「でもくの?」
「だって族だから」
私は何も言えなくなった。
蓮もを挟まなかった。
向は最に、4の横へ2分のさな丸を描いた。
過を消さなくても、しい族は作れる。
子供のほうが、私たちより先にそれを理解していた。
をに、浦弁護士から連絡があった。
兄夫婦が残した財産の理が段落し、子供たちの将来に関わる資について改めて確認したいという。
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私は蓮と緒に事務所へった。
保険や預貯は、子供たちのために適切に管理していく。
その説の途、浦が1冊の古い通帳をした。
「これは額としてはきくありません。ただ、用途が分かるものが緒に残っていました」
通帳には毎1万円、2万円と規則に入されていた。
名義は兄だった。
最の残は約86万円。
「何のおですか?」
浦がさなメモを渡した。
《美緒に返すなと言っても、あいつはいつか返そうとする。だったら先に子供の祝いに使う。》
兄の字だった。
私は笑ってしまった。
「何これ……」
《学卒業祝いで美緒からもらった10万円もここ。結婚祝いですぎた分もここ。双子の祝いに使う。》
私は兄へ何か返したつもりになるたび、兄はそのを子供たちのために貯め直していたのだ。
最にこうかれていた。
《族のはぐるぐる回ればいい。誰が誰に返したとか数えるな。面倒くさい。》
涙と笑いが同にた。
蓮が横で言った。
「浩司さんらしいな」
私は通帳を見つめた。
兄は最まで、私に借を背負わせるつもりなどなかった。
私が返そうとしたものまで、次の誰かへ回していた。
織さんが言った「困っているにをして」という言葉も、同じだったのだろう。
恩は元のへ返すものではない。
受け取ったものを、自分のので別の形にして渡していく。
それなら私は、向と蒼依を育てることを「返済」