"兄夫婦を亡くした日、5歳の双子を家族にした" 第3話
親族たちは最終に頷いた。
そのの夕方、私は2を連れてマンションへ戻った。
蔵庫をけたまま、夕を何にすればいいか分からずち尽くした。
5歳の子が何をべるのか。
何に寝るのか。
保育園の持ち物は何なのか。
医師として患者の命を預かってきたのに、私は子供のパジャマを何枚用すればいいかさえらなかった。
結局、凍うどんを煮た。
向は半分しかべず、蒼依はもべなかった。
夜、2が眠ったあと、私はダイニングテーブルに座ってを1枚した。
《保育園》《仕事》《居》《続き》《お》《緊急》
いつく問題をき並べていく。
そして最に、ペンが止まった。
《蓮》
4かに結婚する予定だった婚約者、桜井蓮。
3付きい、兄夫婦とも何度も事をしただった。
私はしばらくその名を見つめ、本の線で囲んだ。
子供を引き取るのは私の決断だ。
ならば、そのために変えるべきも、私のものでなければならない。
そのときの私は、本気でそうっていた。
翌週、私は弁護士の事務所を訪ねた。
両親を同に失った未成の子供を親族が育てる、親戚の話しいだけですべてが決まるわけではない。庭裁判所での続きや、子供たちの財産を含めた管理についても確認が必になる。
「お気持ちだけでめないことが、結果にはお子さんを守ります」
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弁護士の浦は、そう言った。
私は頷いた。
「必なことは全部やります」
「勤務状況についても教えてください」
「総病院の内科医です。当直があります。ただ、当面はしてもらえるよう相談しています」
「婚約者の方がいらっしゃると伺っていますが」
私は瞬だけ黙った。
「そのことは……私が理します」
浦はそれ以聞かなかった。
代わりに、机のへ青いファイルを置いた。
「お兄様のご自宅から、こういうものが見つかっています」
表には織さんの字で《もしもの》とかれていた。
保険証券のコピー、座、保育園の連絡先、かかりつけ医、宅ローン、公共料、親族の話番号。
織さんらしいとった。
旅へくときでさえ、蔵庫に「ゴミの」「麦茶」「蒼依は寝るにをみすぎると夜に起きる」とメモを貼るだった。
浦がページをめくった。
「ここです」
私は息を止めた。
《夫婦双方に万のことがあった》
そのに、数の名がかれていた。
最初の名は私だった。
《第に美緒へ相談すること》
私は指先で文字をなぞった。
法律、それだけで私が自に何かのになるわけではない。それでも、兄と織さんが「もしも」を考えたとき、最初に私をい浮かべていたことは分かった。
「これ……いついたものですか」
「付は2です」
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2。
双子が3歳だったころだ。
ファイルには、そのも何度かきした跡があった。
私はページをめくった。
《向は緊張すると黙る》《蒼依はになるとべ物を残す》《2をできるだけさない》《浩司の命保険》《織の勤務先へ連絡》
どれも子供を守るための具体な報だった。
ところが、最のページだけ内容が違った。
《美緒について》
自分の名を見つけ、私はを止めた。
《責任がすぎる。何でもでやろうとする》《頼まれると断れない》《自分のことを回しにする》《困ったほど「丈夫」と言う》
わず苦笑した。
織さんは、私の取扱説まで残していた。
しかし、そのにかれた文を見た瞬、笑えなくなった。
《もし美緒が子供たちを引き取ると言ったら、で決めさせないこと》
その次のには、もう1の名があった。
《必ず桜井蓮さんにも相談する》
「どうして……」
声が漏れた。
浦が静かに言った。
「お兄様ご夫婦は、桜井さんのことも信頼されていたのでしょうね」
私は返事をしなかった。
ファイルを閉じようとしたとき、透なポケットからさな封筒が滑り落ちた。
表には《美緒へ》とある。
「これは?」
浦も初めて見たようだった。
封はされている。
私は指を掛けたが、なぜかけられなかった。
兄たちがんだ直から、私はずっと「次に何をするか」
だけを考えてきた。ここで兄の字を読んだら、自分を保てなくなる気がした。
「持ち帰っても?」