"「もう連絡しないで」と言った娘から48件の着信" 第8話
できなかった分は、自分たちの貯から支払ったという。
それはさなことだった。
けれど、美咲が初めて自分の結婚の費用とを、自分の責任として引き受けた瞬でもあった。
私の活にも変化があった。
結婚式の準備で埋まっていた週末が空いたため、陶芸教の仲と隣県の窯元を見にくことにした。職では以から勧められていた総務主任向けの研修にも申し込んだ。
美咲が困ったのために空けていたへ、自分の予定をき込んでいく。
それは娘を捨てる為ではなかった。
私のを、私の元へ戻す作業だった。
そんなある、輔さんから話があった。
『美咲が、今度は自分からお父さんに会うと言っています』
「そう」
『俺も緒にきます。ただ、田さんには来ないでほしいと言っています』
私はし驚いた。
以の美咲なら、私を連れてっただろう。
「分かったわ」
『止めないんですか』
「止める理由がないもの。美咲が確かめたいなら、自分で聞くべきよ」
輔さんはし黙った、
『美咲も同じことを言っていました』
と答えた。
私は話を切り、窓のを見た。
娘はようやく、母親の答えを借りずに、自分の過を確かめにこうとしていた。
美咲が直と織に会ったのは、その週の曜だった。
私は何も聞かなかった。
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夕方になっても連絡はなく、夜になってもスマートフォンは鳴らなかった。
以の私なら、何度も計を見ただろう。
だがそのは陶芸教で削りを終えた器を棚へ置き、帰宅してからで鍋を作った。テレビを見ながら事をし、翌の仕事の準備をして、11には布団へ入った。
美咲から連絡が来たのは翌の夜だった。
《昨、お父さんと織さんに会いました。今すぐ話すとになりそうだから、し理してから連絡します》
私は、
《分かりました》
とだけ返した。
3、美咲がでやって来た。
以のように泣き腫らした顔ではなかった。疲れてはいたが、どこか腹を決めた表をしている。
「お父さんに、つ聞いたの」
つ目は、なぜ養育費を止めたのか。
直は最初、「会社を辞めてがなかった」と答えた。しかし美咲が「その度も払えなかったの?」と尋ねると、曖昧な返事になった。
つ目は、なぜ会いたいなら庭裁判所や親族を通じて連絡しなかったのか。
直は「恵子が怖かった」と言った。
つ目は、母親が会わせなかったという証拠があるのか。
それには答えられなかった。
「それでね」
美咲は鞄からスマートフォンをした。
「織さんが、途で変なこと言ったの」
直が「恵子たちがどこにんでいるか分からなかった」と説した、織が横から、
『でも美咲ちゃんが学の頃、度くまで見にったじゃない』
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と言ったという。
私は息を止めた。
そんなことはらなかった。
「お父さん、すごくって織さんを止めた。でも私は聞いた。所ってたのって」
直は、共通のから聞いたと認めた。
それでも会わなかった。
連絡もしなかった。
「理由を聞いたら、お父さん、『今さらっても迷惑だとった』って」
美咲は笑った。
泣き笑いではない。
力の抜けた、乾いた笑いだった。
「会わせてもらえなかったんじゃなかった。自分で来なかったんだね」
私は何も言えなかった。
その事実は、私にとって勝利ではない。
娘が22のどこかで待っていた父親を、もう度失うことでもあったからだ。
「織さんは?」
「謝ってた。若かったとか、あの頃は自分たちも苦しかったとか。でも私、聞いたの。お母さんの友達だった、私のこと覚えてるって」
織は覚えていた。
美咲がをしたに病を伝ったことも、誕にぬいぐるみを買ったことも。
「だったら、どうして私のお父さんと緒にいなくなれたのって聞いた」
私はわず娘を見た。
「何て?」
「答えなかった」
い沈黙があった。
やがて美咲は、さな声で言った。
「お母さん。私ね、を結婚式に呼んだら、失った族が戻るとったのかもしれない」
それが本当の理由だった。
輔さんの庭は、両親と兄弟が今も仲良く付きっている。
結婚がづくにつれ、美咲は自分だけ父親のいない婦になることを識し始めた。