"「もう連絡しないで」と言った娘から48件の着信" 第7話
「私にも違いはあったとう」
美咲が顔をげた。
「私は、あなたに詳しいことを何も話さなかった。お父さんの悪を言わないことが、あなたを守ることだとっていたから。でも、事実まで隠してしまった。その空を、あなたは自分で埋めるしかなかったのよね」
美咲は首を横に振った。
「だからって、お母さんにあんなこと言っていい理由にはならない」
その言葉は、初めて娘自のからた。
輔さんが静かに尋ねた。
「美咲。お父さんたちを式に呼ぶこと、どうして俺にも全部話さなかった?」
私は初めて彼を見た。
美咲は輔さんにも、直たちの事を正確には話していなかったらしい。
「お父さんと再会したことは聞いていました。でも、田さんが承しているとっていました。織さんがどういう方なのかも、今までりませんでした」
美咲は泣きながら謝った。
父親と母親のに挟まれるのが怖かった。
輔さんに「複雑な庭の娘」とわれるのも怖かった。
だから全部が丸く収まっているように見せたかった。
母親には父親たちのを隠し、父親には母親も承していると伝え、婚約者には両親が解済みだとわせた。
つの嘘を守るために、別の嘘をねた。
そして最に、最も抵抗しないとった私を切りそうとした。
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「お母さんなら、最には分かってくれるとった」
美咲が泣きながら言った。
私はその言葉を聞き、静かに答えた。
「分かることと、許して元通りにすることは違うのよ」
その夜、輔さんは結婚式を度延期したいとにした。
美咲が泣いて止めても、彼は考えを変えなかった。
「結婚したら問題が消えるわけじゃない。今ここで話せないことを抱えたまま式だけやっても、また同じことになる」
私も止めなかった。
娘の結婚を守るために、私がをげることはもうしない。
が結婚するなら、自でて直すしかなかった。
結婚式の延期が決まった3、直から再び話があった。
今度はなかった。
すると留守番話に、苛った声が残されていた。
『美咲から式を延期すると聞いた。おが昔の類なんか見せたせいだろう。せっかく娘が父親を受け入れようとしているのに、何がしたいんだ』
私は録音を消さなかった。
反撃するためではない。
直が美咲へどんな話をしているのか、今またい違いが起きたに確認できるよう残しただけだった。
そのの夜、今度は織からメッセージが届いた。
22ぶりに見る名だった。
《恵子、突然ごめんなさい。美咲ちゃんの結婚を壊すつもりはありません。私たちも過のことは反省しています。
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度、同士で話せませんか》
私はい、返信画面をいたままにした。
22なら、織に聞きたいことはいくらでもあった。
どうして親友の夫だったのか。
私ので美咲と遊びながら、どんな気持ちで直と会っていたのか。
私が夫婦の悩みを相談した夜、どこまでっていたのか。
けれど53歳になった今、それを聞いて何が変わるのだろう。
私はく返した。
《美咲と直さんの関係は、で理してください。私とあなたが話す必はありません》
数分、返信が来た。
《まだってるんだね》
その文を見た瞬、私は笑いそうになった。
っているから会わないのではない。
もう会う必がないから会わないのだ。
その違いを、織には説しなかった。
方、美咲は延期になった式の始末を自分で始めていた。
親族への連絡。
ホテルのキャンセル。
バス会社との契約変更。
式との再調。
これまで私がやっていた仕事をつずつ自分で引き受けた。
数、美咲から話ではなくメッセージが来た。
《叔母さんの宿泊キャンセル料って、私が払うよね?》
私は、
《あなたたちの都で延期したものだから、基本にはそうなるといます。契約内容を確認して》
とだけ返した。
《分かった。自分で話してみる》
以なら、私がホテルへ話して交渉していただろう。
だが今回はしなかった。
翌週、美咲は自分でキャンセル料を確認し、式とも相談して、延期への振り替えができる部はそのまま確保した。