"寝室のベッドの下に隠されていたもの" 第7話
最初の敗
写真は脅迫であると同に、正にとって都のよい証拠だった。私が撮に同席していないことは画面から分からず、委任状の署名欄もさくて読めない。彼は「妻が自分から実印を渡し、母ので資産管理を頼んだ」と主張した。
会社の監査面談では、私の業務能力ではなく、医療報と庭状況ばかり質問された。事担当者は慎に言葉を選んでいたが、正が送った画の印象はい。泣きながら薬の瓶を握る私の姿は、をらなければ分に危うく見えた。
「元映像では、夫が瓶を握らせています」
「その元映像を、会社へ提できますか」
「警察が解析で、正式な複製にはがかかります」
「それまでは判断を留保します」
留保という言葉はに聞こえる。けれども、私は管理職かられたままで、担当してきた決算プロジェクトは別の課へ移された。正の攻撃は、法に勝たなくても成果をげていた。
さらに悪いらせがなった。送器の容器から検された成分は、販の眠補助薬などにも含まれるものだったが、空気へどれほど放されたか証できない。装置には正の指紋があったものの、彼は湿気対策用品として設置しただけだと主張し、薬品は私が入れた能性もあると言いした。
「盗撮については端末名義と通信記録があります。
広告
偽造類もある。全部が崩れたわけではありません」
は励ましたが、私は初めて、自分が負ける能性を現実としてじた。真実がつあれば全てが正しく理解されるわけではない。正は半から、私が何を訴えても信じられないようを作っていた。
週末、叔母の旧宅を訪れた。相続も売却せず、に度換気と入れをしている。のを読んで以来、彼女が正の異変をどこまでっていたのか確かめたかった。
斎の机には何もなかったが、古い計簿のから枚の宅配伝票が落ちた。差は寝具販売会社、届け先は私たちの自宅。品名は〈製ベッドフレーム・加済み〉で、注文者欄にはの会社名がかれている。
私たちがに買ったベッドは、正が「叔母さんの紹介でくなった」と言って配した物だった。私はからの結婚記の贈り物だとい、お礼まで伝えている。だが、の会社が寝具を扱ったことはない。
販売会社へ問いわせると、の記録が倉庫に残っていた。代を払ったのは正で、配送に自分で加するためフレームだけを度引き取っている。受け取りに同席したのは登志子だった。
つまりカメラを設置したのはかではない。、ベッドを購入したから、装置を隠すための空洞が作られていた。
広告
警察がかと判断したのは、現のカメラと配線が交換された期にすぎなかった。
古い装置はどこへ消えたのか。販売会社の担当者は、正が加の際に「将来、介護用センサーを入れる」と説したことを覚えていた。
は寝具会社の証言と伝票を警察へ渡した。しかしその翌、庭裁判所から通が届いた。正が私との円満調と、夫婦共財産の保全を申してたのである。彼は私が叔母の産を急いで処分し、財産を隠そうとしていると主張していた。
もちろん私は売却していない。だが添付資料には、叔母のを億千万円で売るという産会社の査定と、私名義の売却依頼があった。
署名は偽造されている。それでも、産会社の担当者は「島怜奈本と面談した」と証言していた。
その面談に、私は確かに叔母の旧宅へっている。そして防犯カメラには、私によく似たコート姿の女性が担当者と話す様子まで映っていた。
正は私の署名だけでなく、私自を用していた。