"50歳の再婚、披露宴で知った夫の嘘" 第17話
解約された居と、残された段ボール
そのの夕方、私は目黒のマンションへち寄った。
荷物の搬が終わったの、最終確認のためだ。
私が購入したリビング用の空気清浄と、私が持ち込んだキッチングッズを引き取る必があった。
エントランスで産業者から鍵を受け取り、部に入る。
すでに正の姿はなかった。
だが、玄関の隅に、ポツンとつだけ、見覚えのある段ボール箱が置きりにされていた。
箱の側面には、私の跡で『披宴用・予備物』とかれている。
ガムテープを剥がしてを覗くと、そこには、あの披宴のに配られるはずだった、さなプチギフトのクッキーの余りと――正が私にサプライズで渡すはずだったという、作りのメッセージカードが入っていた。
『玲子へ。僕の族になってくれてありがとう。これからは僕が君を絶対に幸せにするからね』
きの、美しい文字。
このカードをいていた、彼は体どんな顔をしていたのだろうか。
私を騙すろめたさは、しでもあったのだろうか。
それとも、「これで全てが丸く収まる」と、自らの嘘に酔いしれていたのだろうか。
「……本当に、空っぽな」
私はカードを破り捨てることもせず、静かにゴミ袋のへと落とした。
りすら、もう湧いてこなかった。
あるのは、ただい徒労と、れみだけ。
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話が鳴った。幸恵からだった。
「もしもし、お義母様……いえ、幸恵さん」
『玲子さん。今、司法士の先から連絡があって、座におが戻ったと聞きました。……本当に、何から何までありがとうね』
「いいえ。当然のことをしたまでです。……体調は、崩されていませんか?」
『ええ。議とね、あの子と縁を切ったら、胸のつかえが取れたみたい。……実はね、玲子さん。相談があるの』
幸恵の声は、以のような怯えを完全に脱し、自らのでとうとする老の力さを帯びていた。
『来週、名古の域包括支援センターへこうとうの。……介護保険の申請と、支援認定の調査の予約を入れたわ。もしよければ……どんなサービスを選べばいいか、アドバイスをもらえないかしら』
「もちろんです」
私は帳をき、カレンダーにペンをらせた。
「曜の午、名古へ伺います。緒にケアマネージャーさんとお話ししましょう」
嫁と姑という呪縛から解き放たれ、の自した同士として結ばれた、しい絆。
皮肉にも、あの男の嘘が々に砕け散った瓦礫のから、本物の信頼関係が芽え始めていた。