"50歳の再婚、披露宴で知った夫の嘘" 第14話
窮鼠の逆「おだって俺をアテにしてただろ!」
面楚。
親族からも、母親からも、会社からも退を塞がれた正は、に突っ伏したまま肩を激しくさせていた。
だが、追い詰められた卑怯者の脳内で、最の醜い防本能が暴を始めた。
ガタッと音をててね起きると、正は血った目で私を指差した。
「……玲子! おの仕業だな!!」
その形相は、もはやのものではなかった。
ネクタイは曲がり、髪は乱れ、の端から泡をばしている。
「おが……おが裏で母さんと叔父さんを唆したんだ! 披宴で恥をかかされた復讐か!? にもなった売れ残りのババアを、俺がわざわざ貰ってやったんじゃないか! 俺の収入、俺の都エレクトロニクスの板をアテにしてたくせに、ちょっと嘘をつかれたくらいでここまでやるか普通!?」
査問の空気が、さらに段、凍りついた。
事部も法務役員も、信じられないものを見る目で正を凝している。
私は歩も引かず、正の正面へ歩み寄った。
その濁った瞳を、真っ直ぐに見据える。
「正さん。勘違いしないで」
私の声は、驚くほど静かで、平坦だった。
「私はあなたの会社の板など、最初からミリもアテにしていません。私の収は、あなたとほぼ同等です。私が守ってきた活基盤は、あなたのっぺらなプライドよりも遥かに固です」
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「嘘をつくな! 女できていけるわけがない! 老の寂しさに耐えかねて、俺に縋り付いてきたくせに!」
「縋り付いていたのは、あなたの方よ」
私はテーブルのの類を指差した。
「あなたはできる覚悟がないから、母親に『派な息子』として依し、私に『無償の介護員』として依し、親族に『世体』として依していた。誰のも背負えない臆病者のくせに、全員にいい顔をして、矛盾が爆発したらのせいにして逃げる。……あなたがしていたのは、誰からも嫌われない【都のいい自分】だけよ」
「黙れ……黙れぇッ!!」
正が腕を振りげ、私に掴みかかろうとした瞬――。
控えていた名の総務部員がのきで割って入り、正の両腕を背にねじげた。
「ぐわっ……! 痛い! せ!」
「見苦しい真似はやめなさい、林!」
神崎部の号が響いた。
「これ以、が社のオフィスで暴挙を働くなら、即座に丸の内警察署に通報する! 警備員、その男を押さえろ!」
に組み伏せられた正は、荒い息を吐きながら、もはや言葉にならない呻き声をげるしかなかった。
そのれな姿を見ろしながら、私は鞄から最の枚の類を取りした。