"50歳の再婚、披露宴で知った夫の嘘" 第5話
【課直撃フック】役所の端末に映る「抹消された私」
松岡本部へ「必ず事実関係を調査し、までに正式にご報告します」とをげて通話を切った私の全は、激しい悪寒に震えていた。
当の正受。
そのために、私の志を無して退職を偽装した?
だが、都エレクトロニクスのような証プライムの企業が、夫のの申告だけで当の申請を受理するはずがない。
扶養異や当の申請には、必ず【公な証類】が必になる。
――まさか。
最悪の予が脳裏をかすめ、私は財布と分証を引っ掴んで部をびした。
タクシーにび乗り、向かったのは区役所の区民課。
平昼の窓は、民票や印鑑証を求める民で混雑していた。
私は自発券で理券を引き、順番を待つ、自分のマイナンバーカードを握りしめ続けた。プラスチックの角が、のひらに痛いほどい込む。
「番、玲子様――」
呼ばれた窓へ駆け寄り、私は職員にマイナンバーカードを提示した。
「私の、現の民票の写しを通発してください。世帯全員が記載されているものです」
「かしこまりました。々お待ちください」
配の女性職員が端末を操作し、カードリーダーに私のカードを読み込ませる。
カタカタとキーボードを叩く音。
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しかし、秒、職員のがピタリと止まった。
女性職員は眉をひそめ、画面を凝し、それから鏡をしずらして私の顔を見げた。
「……あの、お客様。玲子様ですね?」
「はい、そうですが」
「変申しげにくいのですが……当区において、様のお名での民登録は、先週の曜付で【転抹消】となっております」
「……は?」
を疑った。
「転……抹消? 私が、ですか?」
「はい。の曜に、代理の方から【目黒区】への転届が窓へ提され、すでに処理が完しております。転先は、目黒区……世帯主・林正様の世帯への転入となっておりますが……」
目のが真っ暗になった。
私が度もを踏み入れていない、目黒の居。
まだ荷物すら運び込んでいないその所へ、私の民票が、私のらないところで勝に移させられていた。
「代理って……誰ですか!? 私はそんな委任状、度もいていません!」
私の切迫した声に、周囲の窓の線が集まる。
職員は慌てて奥のフロアへ引っ込み、数分、枚のA4用のコピーを持って戻ってきた。
「こちらが、当提された転届と、添付されていた委任状の控えです」
カウンター越しに突きされた面。
そこには、私の名、、旧所が、見慣れた正の几帳面な跡で几帳面に代されていた。
そして、委任者欄の署名。
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そこには、私の名が、私の跡を巧妙に真似た歪な文字でかれ――その横には、百円均で買ってきたような物の文判が、朱肉で鮮に押印されていた。
「これ……私の字じゃありません! 印鑑も、私の実印じゃない!」
「ですが、窓では正当な委任状として受理されております。さらに……」
職員は声を落とし、背筋が凍りつくような最の撃をにした。
「この転と同に、世帯主の林様より、お客様の国民および健康保険の【資格喪失・配偶者扶養切替】の申請も提されております。……お客様は、類、先週の曜をもって【無職・無収入の被扶養者】として処理されております」
、汗垂らして働き、税を納め、自らのでってきた私の社会分が。
婚姻届をした直の、わずか数の隙に。
夫のによって、完全に偽造され、抹消されていた。
りで全の毛穴が逆つ、私のスマートフォンの画面が、気にった。
着信表示は――【林幸恵】。
先ほどまで披宴の席で私を罵倒しようとしていたはずの、あの義母からだった。
震える指で通話ボタンをスワイプした瞬、受話器の向こうから聞こえてきたのは、義母の声ではなく――信じられない、すすり泣くような鳴だった。
『――玲子さん!? 助けて……! 正が……正が、私のおを全部……!!』