"息子が私を認知症にした日" 第24話
鍵は私のポケットに
歳の誕、盛な会はかなかった。
織と美咲、期宅の運営を伝う社会福祉士、陶芸教の佳代が駅のへ来た。真理は仕事で遅れ、閉際のケーキを持って顔をした。
直は来なかった。美咲が入学式への席を断り、誕もまだ会いたくないと伝えたからだ。
誰もその判断を説得しなかった。
事の途、叔父から話があった。
「族がばらばらのままで寂しくないか」
私は庭を見ながら答えた。
「同じ部にいても、誰かのでつながっているなら、それはまとまっているとは言わないでしょう」
話を切ると、織がさく笑った。
「昔のお母さんなら、叔父さんに謝ってた」
「今でもし謝りたくなるわよ」
私たちは笑った。
織との関係も完全には戻っていない。父の相続で彼女を傷つけたことは消えず、任見を専職へ頼んだ、織は自分が信用されていないとじた。それでもに度会い、言いにくいことをそので言う練習をしている。
真理とは親しい嫁姑にならなかった。彼女は自分の活をて直し、必な連絡だけをする。々、卵焼きを持ってくる。その距で分だった。
美咲は京へ発つ朝、私へ駅のの鍵を返した。
「もう持っていないほうがいいとう」
「必なは、正面から借りに来なさい」
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「うん」
彼女は泣かずにへ乗った。
、期宅の玄関にはしい利用者の靴が並んだ。族と揉めただけではない。退院のまいが決まらない、を改修するだけ暮らすも来た。
私は管理ではなく、所者として週に度顔をす。困り事を全部解決しようとはしない。契約の頼みには、できないと言う。
ある夕方、ポケットので鍵が鳴った。
歳の誕、息子は私からこの音を奪おうとした。あのの私は、判を押したふりをして反撃の準備をしていた。でも本当に取り戻したのは、だけではなかった。
誰を助けるか。
どこまで助けるか。
いつれるか。
老いた、誰のを借りるか。
それを自分で決める権利だった。
直を完全に許したわけではない。美咲もまだ父に会っていない。織の傷も、真理の責任も消えていない。
それでも、壊れたものを無理に元の形へ戻す必はなかった。
私は玄関を閉め、鍵を自分のコートのポケットへ入れた。
誰かに預けるは、いつか来るだろう。
けれど、そのと、その相は、私が選ぶ。
私はもう、誰かが作った「かわいそうな母親」でも、「物忘れをする老」でもなかった。
私は恵美子、歳。
まだ自分のの所者だった。