"息子が私を認知症にした日" 第23話
の面会
直は作業着で来た。以より痩せ、髪にいものが増えていた。
「ここ、に貸してるんだな」
「契約してね」
彼は苦笑した。
「俺には契約がなかった」
「半の約束はあった。あなたが忘れたの」
直は反論しなかった。テーブルへ古い実印を置いた。私の寝から持ちしたのは。父の類を理するため度だけ借り、返さないまま印をスキャンしたと認めた。
「確認を作ったは、本当にを売れば全部返せるとった。母さんも最には同するって」
「美咲の署名は?」
「別の類から貼った」
「それを、族のためと言うの?」
直は両を見た。
「最初は会社を守るためだった。途から、自分が失敗したとられるのが怖かった」
美しい改ではなかった。彼は真理が支えてくれないことへの満も言い、織が資料を集めたことを今もんでいた。
私は途で止めた。
「謝罪は、の悪いところを並べたあとに置くものではないわ」
沈黙が落ちた。
やがて直は度だけをげた。
「母さんを病にした。悪かった」
私はすぐに「もういい」とは言わなかった。
「私は、あなたがしたことを忘れない。でも返済と仕事を続けるなら、その事実も見る」
が来たのでちがった。
直は玄関で、美咲の入学式へってよいか尋ねた。
「それは美咲に聞いて」
母親として許を与える役を、私は初めて返した。