"息子が私を認知症にした日" 第17話
嫁が隠した通帳
真理はをる準備、台所の収納から通帳を見つけた。
名義は夫。解約済みの古い座で、最の残はほぼゼロだった。だが取引履歴には、夫が入院していた期に、直へ計百万円が送られていた。
私は初めてった。
夫は、直の会社へ何度も資を入れていた。私には「設備の売却代が入った」と説していた。
織はった。
「だから相続財産がなかったの? お父さんも兄さんも、ずっと私たちに隠してたんだ」
通帳は直だけを責める証拠ではなかった。夫も息子を特別扱いし、私は見ないふりをして庭の平穏を守った。今の問題は、その延にあった。
私は相続のやり直しを軽々しく約束しなかった。税理士と弁護士へ確認すると、贈与として遺産分割で考慮される能性はあるが、済みの分割を覆すには事実と効の検討が必だという。
織は「また兄さんだけ得をする」と泣いた。
「今度は、分からないことを分かったふりで丸めない。調べた結果、戻らないおかもしれない。それでも緒に確認する」
私は約束した。
真理は通帳を隠していたわけではない。にあることを直から聞いていたが、古い計簿だとい、かなかったという。
それでも彼女は言った。
「らなかった、ばかりですね。
私は」
「らないことは罪ではない。でも、自然だとったに確かめない選択には責任がある」
私自にも向けた言葉だった。
調査の結果、百万円の部は返済されていたが、百万円は贈与扱いになっていた。織と私は、法争いを引かせず、直の返済計画に定額を加えることでを目指すことにした。