"息子が私を認知症にした日" 第13話
仮差押えの札
駅ののけ渡し期限までかという朝、に裁判所名の入った封筒が貼られていた。
建材業者が、直の会社への債権を理由にの仮差押えを申してたのだ。所者は私なのに、直が業者へ示した売却確認と改修費の資料から、会社がに何らかの権利を持つ能性があると主張していた。
所ではすぐ噂になった。佐野さんは配して訪ねてくれたが、別のはので写真を撮った。
「すぐしてください」
私は川へ頼んだが、彼は首を横に振った。
「順序があります。所権、類の作成経緯、実際の事額を示して異議をします。腹がっても札には触れないでください」
自分のなのに、自分のものだと証する。その理尽さにが震えた。
直へ話をかけそうになり、やめた。かわりに登記事項証、固定資産税の記録、事代の引落票を揃えた。本も、会社が所権を取得した事実は帳簿ないと陳述した。
業者の社とも代理同席で会った。
「あなたを困らせたいわけではない。息子さんが、母親も承済みだと何度も言ったんです」
「では、私本へ度でも確認しましたか」
社は答えられなかった。
私たちは敵同士ではなく、同じ嘘の別々の被害者だった。私は売却代を約束しない代わりに、会社の再計画から業者への返済順位を確にする協議へ参加することを認めた。
週、業者はに対する申てを取りげた。債権まで消えたわけではない。請求先が私のではなく、直の会社へ戻っただけだ。
の札を剥がした、美咲が箒で糊の跡をこすった。
「お父さんは、こんなところまで使ったんだね」
私は箒を受け取った。
「あなたがお父さんを嫌うかどうかは、今決めなくていい。でも事実をさくしてはいけない」