"息子が私を認知症にした日" 第10話
嫁の条件
真理がで訪ねてきたのはの午だった。
「婚するつもりはありません」
座るなり、彼女はそう言った。
謝罪より先に自分のを守る。真理らしいとった。
「でもをます。美咲とで。直さんには会社のくで暮らしてもらいます」
真理は庫の封筒を撮した写真を見せた。封は切られていない。表には私の跡で《直へ 売却清算》とある。
、夫のを閉じた際の類だった。直は設備を引き継ぐかわりに、私へ毎万円を払うをした。支払いはで止まっている。
「どうして今まで言わなかったんですか」
「息子の会社が苦しいなら待とうとったから」
真理は唇を噛んだ。
「私は、駅のがもう直さんのものだと聞いていました。お義母さんには終でめる別のがあるって」
「私がんでいるこのは、借よ。更は」
真理の顔からが消えた。
彼女は施設探しには同し、私が混乱しているという直の説を信じた。だが契約の印複製や、事伝票の振替はらなかったという。
「信じたことと、確かめなかったことは別ね」
「はい」
真理は涙を見せなかった。かわりに、計簿と直から届いたメッセージを提すると言った。ただし条件がある。
「美咲の学費用を、直さんの債務と切りしてください」
「それは私に求することではないわ」
「分かっています。だから私も働くを増やします。りない分だけ、美咲本と相談して貸してください。贈与ではなく」
初めて、話が通じた気がした。
私たちは解しなかった。ただ、責任の境界を本引いた。