"妹に夫を譲れと言われた結婚式の翌朝" 第6話
「ご、ごめんなさいお父さん……でも、無理……!」
私は壁にをつき、笑いすぎて引き攣る腹筋を押さえながら必に呼吸をえた。はちがり、パジャマのズボンをグッと引きげると、未だにニヤニヤとした笑みを元に張り付かせたまま、百に向かって歩歩み寄った。
「ゆ、百ちゃんさ……ヶに俺とベッドを共にして、俺の子を妊娠したんだよな?」 「そ、そうよ! 何度言わせるのよ!」 「じゃあさ、ちょっと確認のためにクイズしていい?」
のあまりに違いな提案に、ダイニングが静まり返った。
「クイズ……? 何を寝言を言っているんだおは!」父が割って入ろうとするが、はそれをで制し、神妙な顔(しかし目は完全に笑っている)を作って百を見つめた。
「第問。百ちゃん、ヶに見た俺の腹筋って、何個に割れてた?」
「……は?」
百はをポカンとけた。
「いやだからさ、を脱いでそういう為に及んだんだから、当然俺の半も見てるよな? 俺の腹筋、綺麗に割れてたろ。何個に割れてたか覚えてる?」 「な、何を馬鹿なことを……!」百は線を泳がせ、焦ったように声を張りげた。「そ、そんなの興奮してて覚えてるわけないでしょ! ろ、個よ! 普通にシックスパックに割れてたわよ!」
はいため息をつき、首を横に振った。
「ブッブー。残、正解」
は無造作にパジャマのシャツを捲りげた。
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そこにあったのは、頃のデスクワークとビールによって程よく育った、見事なまでに滑らかで真っな「ワンパック」のビール腹だった。筋肉の筋などミリ単位もしない。
「正解はゼロ個でしたー。残でした、俺の腹筋はとっくの昔に方なんだよ」
ろで見ていた母が、わず「ぶふっ」と吹きした。
「な、何よそれ! 体型なんて期によって変わるじゃない! そんなの証拠にならないわよ!」 「よし、じゃあ第問」
は百の反論をに介さず、差し指をてた。
「俺の体のホクロ。特徴な所にいっぱいあるんだけど、全部で何個あった?」
百の額に、や汗が滲みた。完全に適当な作り話で乗り込んできた百にとって、の体の特徴などる由もない。
「じ、個! 背とか腕にいっぱいあったわよ!」 「ブッブー! 残でした!」
は満面の笑みで両を広げた。
「正解は……俺もらん! 自分の背のホクロの数なんて数えたことねえよ!」
「貴様アアアアッ! いい加減にしろッ!」
ついに父のりが頂点に達した。顔を真っ赤に鬱血させ、拳を振りげてに殴りかかろうとする。
「娘を妊娠させておいて、どこまでふざけた態度を取れば気が済むんだ! 男のにも置けんめが!」
「お父さん、待って!」
私は素く割って入り、父のに両を広げてちはだかった。
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「がふざけてるのは、百の嘘があまりにも鱈目だからよ! いい? ヶって言ったわよね。断言するけど、その期にが女性を妊娠させるなんて、物理にも医学にも絶対に能なのよ!」
私の毅然とした言葉に、父の拳が空で止まった。母もを乗りしてくる。
「ありさ……それ、どういうことなの?」
私はを振り返った。
は顔を両で覆い、まるで最の恥辱に直面したかのようにまで真っ赤に染めげていた。
「……、言っていいよね? あなたの名誉と、男としての尊厳のために」 「うう……頼むから言わないでほしかったけど……このままじゃ俺、無実の罪で科者になっちまうからな……」
は観したように息を吐きすと、直の姿勢を取り、両親と百に向かって、震える声で告したのだった。
ダイニング央で、は両をで揃え、消え入りそうな声でを切った。
「お父さん、お母さん……実はですね。ちょうどヶの旬……僕、男の事な『急所』をですね……蜂に刺されまして」
「……は?」
父と百の声が、完璧にユニゾンしてなった。
父は眉根をこれ以ないほど寄せてを睨みつけた。「蜂……? 刺されただと? それが妊娠と何の関係があるんだ。どこを刺されたというんだ」
は泣きそうな顔になり、自らの股あたりを恐る恐る指差した。
「ですから……その……男の、番事なシンボルです。先端を、ブスリと」
秒の静寂。
次の瞬、張り詰めていたダイニングに、母の凄まじい爆笑が炸裂した。