"万引きを疑われた私に、警備員が「六万円で見逃す」と言ったので父に電話した" 第2話
用されていた始末
類の表題は〈商品持ちしに関する確認〉だった。私は盗難を認め、と警備会社に迷惑をかけたことを謝罪し、今切異議を申してない。その代わり側は警察への通報を見送る――おおむね、そういう内容である。
は今作ったものではなかった。署名欄だけ空で、付も商品名も額も印刷されている。さらににはさく〈GP-47〉という管理番号が振られていた。
「番……これは何の番号ですか」
「余計なことは聞かなくていい」
佐々がを裏返した。だがそのに、同じ式の用が何枚もねてあるのが見えた。いずれも番号が違う。偶然の誤認を穏便に解決するための類なら、これほど準備しておく必はない。
私は帰国便で読んだ、グランポート摩の次報告をいしていた。昨度から万引き認件数が割減り、警備会社は「抑止策が奏功した」と説していた。その方で、館内のお客様相談窓には「警備員の対応が威圧」という匿名見が数件届いていた。どれも事実確認能として閉じられている。
「現は持っていません」
「カードは?」
「あります」
「階のATMでろせばいい。塚さんが緒にく。逃げないよう、分証と鞄はここに置いていってもらいます」
佐々は私のパスポートケースにを伸ばした。
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私は子を引き、触れさせなかった。
「私物を担保に取るんですか」
「担保じゃない。証拠保全だ」
塚がちがり、扉のを塞いだ。がかりで、窓のない部にの客を閉じ込め、現をろしにかせる。それを証拠保全と呼ぶ者はいない。
私は机の端に目をやった。半透のファイルから、別の女性の免許証のコピーがのぞいている。〈松本奈緒〉、歳。所のには赤いペンで「・済」とかれていた。
「そのも万円払ったんですか」
佐々が素くファイルを閉じた。
「のことより自分の配をしろ。払えないなら族に連絡しな。あんたくらいのなら、親もまだきてるだろ」
私の両親は健だ。父は、この建物の最階にある社で、午の経営会議にている。だが、今すぐ名乗って父を呼べば、このは「らなかった」「誤解だった」と逃げるだろう。過に同じ目に遭ったがいるなら、必なのは私の潔だけではない。
私はそうに線を伏せるふりをしながら、スマートフォンの画面を机のでいた。録音は続いている。指紋認証で社内用の緊急連絡アプリを起し、システム管理責任者の久保田真帆へい文を送った。
〈館階、ルーチェ舗内。分から現までの全カメラ映像を保全。理由は送。
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誰にもらせないで〉
送信済みの表示がた直、塚が机を回り込んできた。私はスマートフォンを伏せた。
「誰に送った」
「族に相談しようとって」
「勝なことをするな。話ならここで、スピーカーにしてかけろ」
塚は端末を奪おうとした。私は両で守りながら、わざと声を震わせた。
「そのに、防犯映像を見せてください。私が商品を取ったところが映っているなら、払います」
佐々は瞬黙り、それからで笑った。
「残だったな。あの売りはカメラの角なんだ。だから現物が番の証拠になる」
私がにいたで、父の会社が唯、私の提案を全面に採用した案件がある。角をなくすためのしい監システムだ。古い壁面カメラとは別に、改装区画の井へ百度型の型カメラを設置し、映像を隔サーバーへ同保する。詳細な撮範囲は、現のにも委託警備員にもらせていない。
ルーチェは、その試験導入舗のつだった。
ポケットので端末が度震えた。久保田からの返信だった。
〈映像確保。分、佐々が通ですれ違いざま、あなたのポケットへ商品を入れる面を確認〉
私の推測は、映像によって事実へ変わった。
しかし、その直に届いた通目は、私の予を超えていた。
〈同じ区画で過か分を確認。関連しそうな映像に自然な欠落が複数あります。削除権限は舗にも警備員にもありません〉