"今日でクビだ」黒蛇の夢を信じて280万円の起爆装置を壊した俺。3日後、127人が退避した直後――山が崩れた" 第12話
3、が崩れた
作業員たちは班ごとの列を崩さず、側の全区域へ移した。
誰もらない。ろを振り返りながらも、の者との隔を保って歩いた。訓練で何度も繰り返したきだった。
全員が全区域へ入った、私はもう度数を数えた。
127。
欠けていない。
確認した直、第4区画の方向から2度目の振が届いた。最初よりく、面のを何か巨なものがうような揺れだった。
坑から濁ったが吹きした。
細かな砂と湿った臭いが混ざり、照ので茶い埃がう。
に置かれた受信が鋭い警報音を鳴らした。坑内へ残していた隔測定器からの信号だった。
保担当者が表示を読む。
「第4区画、燃性ガス昇。毒ガスも検しています」
「の測定点は」
野部が尋ねる。
「隣接区画でもがり始めました」
「坑内源を遮断。再入坑は禁止。側へをづけないでください」
指示が続く、監督が坑へ数歩づいた。
「測定器を回収しないと、正確な記録が――」
保担当者が遮った。
「データは側にも保されています」
「の状態を見なければ原因が分からない」
私は監督のへた。
「原因をるために、今、を戻す必はありません」
「おは黙っていろ」
「今は誰も戻しません」
野部も同じ判断をした。
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監督は坑を見たままっていたが、やがて歩がった。
その直、の内部からきな破砕音が響いた。
度では終わらない。岩盤が連続して崩れ、奥からへづいてくるような音だった。
排溝へ茶く濁ったが流れ込み、位が急激にがった。誰かが堰を確認しようといたが、藤本班が肩を押さえて止めた。
「づくな。今は設備よりだ」
午11を過ぎても、ガス濃度はを繰り返した。警報は1つの点だけではない。第4区画から隣接坑へ、ガスが広がっていることが分かった。
部の鉱保専員が到着したのは昼過ぎだった。
誰も坑内へ入れず、隔データ、坑図、湧量、振記録をで確認する。
夕方、野部が全員を集めた。
「現点で確認できたことだけを話します」
作業員たちは全区域に並んだ。監督もしれた所にっている。
「第4区画の岩盤奥に、きな空洞とガス溜まりがあった能性がい。岩盤の移によって空洞が崩れ、ガスが坑側へ流れたと考えられます」
太田のが、作業着の裾をつかんだ。
野部は続けた。
「もし3、予定通り発破していた、爆炎が燃性ガスへ達した能性があります。隣接区画まで爆と崩落が広がり、発破班だけの事故では済まなかったでしょう」
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そのは静かだった。
びの声をげられる話ではない。にったからこそ、失われかけた数のさが分かった。
「今の全員退避も、適切な判断でした」
野部が点呼表を見た。
「127全員の無事を確認しています」
太田が私の隣へ来た。
「俺、3に押していたら……」
「押さなかった」
私は答えた。
「それが残った事実だ」
太田は唇を結び、点呼表の最の印を見つめた。
私は黒い帳をいた。
発破器を壊したから、ちょうど3。
午952分、127全員退避。第4区画で自然崩落。燃性ガス、毒ガスを複数点で検。予定に発破していた、規模事故の能性あり。
き終えたところで、保専員が野部を呼んだ。
「崩落点の隔画像が届きました」
モニターには、亀裂の入った岩盤が映っていた。その奥に、周囲とはらかにの違う細い層がしている。
専員は画像を拡した。
「全とは別件ですが、この岩……の含反応を調べた方がいいかもしれません」