"今日でクビだ」黒蛇の夢を信じて280万円の起爆装置を壊した俺。3日後、127人が退避した直後――山が崩れた" 第4話
80万円のための3
装薬班がきすに、藤本班が通へった。
「確認表に主任の署名がない」
監督はを止めた。
「現監督の私が作業継続を認める」
「酒井の名を消したなら、次の主任は太田だろ。太田はまだ署名していない」
作業員たちの線が太田へ集まった。
彼は確認表を胸ので持っていたが、署名欄は空のままだった。
「太田」
監督の声がくなる。
「午に2回測った。最終値は正常だった。まだ何が満なんだ」
「満じゃありません。3と今、同じ所で警報がています。原因が分からないまま、俺は署名できません」
太田は度だけ私を見た。しかし助けを求める目ではなかった。自分の言葉を最まで言うために、そこにっていた。
監督は確認表を奪い、机のへ投げた。
「臆病者ばかりだな。署名がなければ、私の責任でめる。会社に損害がたら、おたちが補うのか」
私は答えず、程管理用の資料へ目を移した。
壁のボードには、採掘計画が貼られている。第4区画だけ、予定線の3に赤い磁が置かれていた。
「この3倒しは、本社の指示ですか」
監督は瞬、黙った。
「現改善の環だ」
「誰が提案したんです」
「私だ。それがどうした」
横にいた事務担当者が、元のファイルを閉じようとした。その表に《期成果評価・特別加算》とかれているのが見えた。
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「見せてもらえますか」
「おには関係ない」
監督が先にファイルを取った。だが、閉じる直に数字が見えた。
程3以縮。成果加算80万円。
さらに、次期鉱候補の評価項目にもなる。
私はようやく、監督が“3”に執着する理由をった。
「80万円のためですか」
周囲の音が止まった。
監督はファイルを脇へ抱えた。
「成果をした者が評価されるのは当然だ。全を無しているわけじゃない。測定値は正常に戻っている」
「異常を記録から抜いたで、そう言うんですか」
「言葉に気をつけろ」
「では原記録を本社に見せて、判断を待ちましょう」
「待たない」
監督は即答した。
「1度の警報で程を止める例を作れば、今も誰かが気になると言うたびに作業が止まる。そんな現で数字が作れるか」
その言葉で、問題がはっきりした。
彼が恐れているのは危険ではない。現のが“止めたい”と言えるようになることだった。
1248分、保部の画面はまだ“受理済み”のままだった。
監督は装薬班へ、第4区画に入るよう再び命じた。だが太田が確認表を持ったままかないため、現は膠着した。
「太田、署名しろ」
「できません」
「おの、も奥さんが入院していたな。残業を優先に回してやったのは誰だ」
太田の指がの端をくつかんだ。
「その話は関係ありません」
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「関係あるかどうかは、次の配置を決めるに考える」
骨な脅しだった。
私は携帯話を取りし、刻と発言を帳に記録した。録音はにわなかったが、藤本班を含め7がそので聞いている。
監督は私の元を見た。
「またいているのか」
「で話が変わらないようにです」
「好きにしろ。結果をせば、黙るのはおたちだ」
彼はそう言い残し、起爆所へ向かった。
1320分。通常なら退避確認を始めるだ。
私は受付番号KT-4072の画面を更した。しい表示がた。
《原記録照会》
本社はき始めている。
だが、現止の指示はまだない。
「酒井さん」
太田がづいてきた。
「監督が、俺を起爆所へ来させろと」
「くのか」
「装置の準備だけ確認します。でも、俺は押しません」
私は頷いた。
「確認表を持っていけ。署名欄が空だと、誰にでも分かるようにな」
太田はを折らず、透なケースへ入れた。
私たちは藤本班と緒に起爆所へ向かった。い扉のには、持ち運び式の気発破器が属台へ固定されていた。まだ発破母線とは接続されていない。
監督は計を見ながら、接続用の鍵をにしていた。
「遅い。太田、点検してつなげ」
「署名していません」
「だったら私が署名する」
「発破主任の確認欄です。監督の欄じゃない」
太田の声は震えていた。それでも、装置には触れなかった。
監督は舌打ちし、彼から接続用の鍵を奪おうとした。
私は2のへ入った。
「やめてください。本社が原記録を照会しています。あとし待てば、正式な判断がます」
「待って程が遅れたら、おが2400万円払うのか」
「爆発してがんだら、あなたは何を払うんです」
監督の元が歪んだ。
「何も起きない。私が責任を取る」
そう言って、彼は発破器の接続へ鍵を差し込んだ。