"夫に捨てられた盲目の妻が隠していた秘密" 第12話
倒れたらムチがんでくるだけの、正真正銘のきた獄だよ」
黒田の宣告に、拓也の全の毛穴が逆った。 権も法律も届かない、永の暗。
「嫌だ……嫌だああああっ! 俺をそんなところに送る権利がどこにある! この殺し! 悪魔! 目暗の化け物がああっ!!」
発狂した拓也が咲に殴りかかろうとした瞬、黒田の部たちが拓也の腕を捻りげ、へ組み敷いた。 どれほど罵倒されても、咲は氷の表を崩さない。
「おい、連れてけ」 吉夫が酷に言い放つと、屈な男たちが拓也の両脇を抱え、エレベーターへと引きずり始めた。
「待ってくれ! 警察を呼んでくれ! 頼むから逮捕してくれ! 刑務所に入れてくれえええっ!!」 数分まで逮捕を恐れていた男が、今や自ら本の警察に救いを求めて泣き叫んでいる。これほど無様で滑稽な因果応報があるだろうか。
だが、エレベーターの扉が閉まりかけた、そのだった。
「――待ちなさい」
咲の凛とした声が、廊に響いた。 男たちのが止まり、エレベーターのドアが再びく。 拓也はすがるような目で咲を見げた。
「さ、咲……! 許してくれるのか!? やり直せるよな!?」
だが、咲がハンドバッグから取りしたのは、許しの言葉ではなかった。 さな箱だった。
「あなたが永の暗に落ちるに……この、あなたが隠し続けてきた【最の罪】について、答えわせをしてあげるわ」
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咲の美しい瞳が、細く鋭く細められた。
「に私をねた、あの居眠り運転のトラック……。あれが本当に、ただの偶然の事故だったとっているの?」
その言葉が放たれた瞬、拓也の喉からヒュッという異音が漏れ、顔面がのように青ざめた――。
「じ、事故……? なんの話だ……! あれはただの居眠り運転のトラックが突っ込んできただけの、慮の事故だったはずだろ!」
拓也は必に声を張りげたが、その声の震えは誰のにもらかだった。額からは脂汗がとめどなく噴きし、線は泳ぎ、の理に爪をててずさる。
「本当に偶然だったのかしら。あなたがパチンコの裏で、借まみれのトラック運転に何を渡したのか……私がらないとでもっていたの?」
咲の徹な問いかけに、拓也の呼吸が完全に止まった。 なぜっている。あの裏には防犯カメラもなく、誰にも見られていないはずだった。完全犯罪として処理され、警察の捜査資料でも単なる「過労運転による業務過失傷害」として決着がついていたはずの。それが今、被害者である妻のから寸分違わず暴かれている。
「う、嘘だ……! 鱈目を言うな! お、俺を陥れるためにそこまで妄を膨らませて……! 親父、騙されるな! こいつはがおかしくなってるんだ!」
拓也は吉夫に向かっていつくばり、涙とを垂らしながら叫んだ。
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だが、吉夫の線は氷のようにたく、微だにしなかった。
「おは本当に、咲さんが何の確証もなくここへ乗り込んできたとっているのか。……連れてきなさい、黒田」
吉夫がステッキの突きでを静かに突くと、黒田が奥の非常階段へ向かってく指を鳴らした。 ズリ、ズリ……と、い枷を引きずるような湿った音がづいてくる。 エレベーターホールのから、屈な男に両脇を抱えられて引きずりされてきたのは、汚れた作業着を着た代半ばの男だった。
無精髭に覆われた浅黒い顔、気を失った濁った瞳。男はに転がされると、怯えた獣のようにさく丸まり、ガタガタと震えした。
その顔を正面から見た瞬、拓也の喉の奥からヒュウッという引き攣った鳴ががった。
「あ……あ……あ……っ!?」
忘れるはずがなかった。 、自らのでを握らせ、妻の殺害を依頼したあの距トラック運転――矢野(やの)そのだった。 刑務所へ収監され、所は方の林へを隠していたはずの男が、今、目のに引きずりされている。
「お、おい……なんで、なんでおがここに……!」
拓也が目を剥いて叫ぶと、矢野はに額を擦りつけ、嗚咽を漏らしながら座した。
「ひいぃっ! す、すいませんでした! 俺は言われた通りにやっただけなんです! ギャンブルで作った借で首が回らなくなって、そこにこの吉種って男が現れて……!」