"団地に残された17通" 第4話
会社は部の表現を修正したうえで応じた。
復職はしない。
の保管については、自分の判断が適切だったと認める。
その代わり、民をのぞいた、郵便物を盗んだという事実はないことを、自治会にも説してもらう。
志津は、その条件でした。
最終勤務の、午830分に用具庫の鍵を松へ渡した。
「い、お疲れさまでした」
松はをげた。
「用具庫にあったは、どうなりましたか」
「警察へ相談です。差や受取が分かる物は、連絡できるか確認するそうです」
「佐伯さん宛てのも?」
松の指が鍵ので止まった。
「なぜ、それだけ気にするんですか」
「15の災で辞めた管理だからです」
松は志津の顔を見たあと、線をそらした。
「昔のことです。藤本さんには関係ありません」
その言い方が、森と似ているとった。
志津は団をた。
振り返らなかった。
その夜、警察から話が入った。
16通のうち、2通の封がすでにいていたという。どちらも古く、濡れや接着剤の劣化があるため、いついたのかは判別できない。
志津がけたと決められたわけではない。しかし期保管していた以、疑いを完全に消すこともできなかった。
「を読んだことはありません」
志津が答えると、警察官は淡々と記録した。
いていたのは、佐伯から森へ宛てたと、芳が残した濡れのだった。
広告
芳の便箋は半分く文字が消えていた。
読めたのは、わずかな言葉だけだった。
《黒田さんの会社》
《123 午9》
《事をしていない》
そして最に、《の会で話します》とかれていた。
それだけでは、誰が何をしたのか証できなかった。
青葉台団の災は、15の123午1048分に発した。
所は1階管理。管理の佐伯隆が持ち込んだ気ストーブと、老朽化した延コード付の焼損が激しく、当の消防調査では《延コードの接続部からした能性がい》とされた。
煙は配管スペースを通って2階へがった。203号の川辺芳が逃げ遅れ、搬送から5にくなった。
佐伯は午6に管理をていた。
本はストーブの源を切り、コンセントも抜いたと主張した。しかし管理会社は、佐伯の確認が災につながったと判断し、契約を解除した。
民説会ではりが佐伯へ集した。
佐伯は妻と学の娘を連れ、団から姿を消した。それ以、民のくは彼の名をにしなくなった。
芳の残したには、《黒田さんの会社》《事をしていない》という言葉があった。
当の自治会は黒田武雄だった。
災の半、自治会は防設備の改修費として、各世帯から1万5,000円を集めた。管理の配線、非常灯、消器を交換すると説されていた。
広告
しかし災、管理の配線は古いままだった。
警察はの内容を確認したが、直ちに捜査を始めることはなかった。15の会計の問題であり、だけでは資流用も災との関係も証できない。
志津にも、捜査内容はらされなかった。
警察から質問されたのは、を拾った所と期、封の無だけだった。そのの連絡はなかった。
志津は、自分で調べることをしなかった。
以なら、森や川を訪ね、っていることを聞いただろう。しかしをく保管した問題が起きたばかりであり、今度は関係者の過へ勝に踏み込むことになる。
それでも、団の方から志津へ報が届いた。
川が訪ねてきたのである。
「警察に、15のことを聞かれた」
川は志津の自宅で、災当の状況を話した。
当、川は2号棟の棟で、防災係でもあった。災の夜は妻の入院先におり、午940分頃に病院をた記録が残っている。
「芳さんは、事のから自治会の会計を調べていた」
「黒田さんの会社へおが流れたという話ですか」
「そこまではらん。ただ、事の領収と実際の設備がわないと言っていた」
芳は災当の午、川へ話をかけた。
の役員会で、会計類を皆に見せる。黒田と森にも説してもらうと話していた。
「話を受けたを覚えているんですか」