"サービスエリアで消えた三人" 第8話
修が最まで語らなかった遺棄所についても、県部の旧処分や周辺域で捜索がわれたが、の遺骨がすぐに見つかることはなかった。
事件が再びきく報されると、の目撃者たちにも取材が殺到した。
「私は確かに見たとっていたんです」
当フードコートにいた女性が、テレビでそう話していた。
「でも今になると、本当にあの親子だったのか、自信がありません。ニュースを見ているうちに、そううようになったのかもしれない」
佐倉はその言葉を責める気にはなれなかった。
の記憶は記録映像ではない。
まして巨なサービスエリアで、何百もの族がき交う休の分を、から正確に再現できるなどほとんどいない。
の捜査で最もきな違いは、曖昧な目撃証言を信じたことではなかった。
「はそこにいた」という発点そのものを疑わなかったことだった。
事件の資料を理していた夜、佐倉は最初の館内放送の録音を再した。
〈お客様のお呼びしを申しげます。宮本恵美様、宮本輝様、宮本真央様。お連れ様がお待ちです。インフォメーションカウンターまでお越しください〉
、佐倉はこの放送を何度も聞いた。
妻と子供を待つ父親がいる。
その提で聞けば、これほど切実な放送はない。
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しかしが度もそこへ来ていなかったとったでは、がまるで違って聞こえた。
修は、帰ってこないを呼んでいたのではない。
最初から来るはずのないの名を、であふれた建物のに何度も響かせていた。
その声を聞いた々は周囲を見回し、自分の記憶のから似た母親と子供を探した。そして何かは、「さっき見たかもしれない」とった。
修が作ったのは、誰もいない密ではなかった。
がすぎて、誰の記憶も完全には確かめられない所だった。
佐倉は録音を止め、の族写真を封筒に戻した。
恵美が笑い、輝がし照れた顔をし、真央だけがカメラではなく母親を見ている。
彼らをざけたのは、の男がついた嘘だった。
だがその嘘をく成させたのは、「勢が見た」というだった。
目撃者はいた。
けれど、を本当に見た者はもいなかった。