"花嫁が追い出した親友" 第1話
俺の名は平井圭、30歳。
学の頃にきな事故に遭い、半がかなくなった。それ以来、俺の活には子が欠かせないものになっている。
今でこそ1で仕事へき、必なだけ周囲の助けを借りながら普通に活しているが、事故の直はそんな未来を像することさえできなかった。昨まで自分ので歩いていた廊を子でむだけで、世界から取り残されたような気持ちになった。
できなくなったことばかりが目についた。
階段をれない。
い棚にが届かない。
初めてく所では、入りに段差がないかを確認しなければならない。何をするにも「できるかどうか」を先に考える癖がつき、学だった俺には、それを静に受け入れるだけの余裕などなかった。
学へくことも嫌になった。
友達に気を遣われるのも嫌だったし、逆にどう接していいか分からないという顔をされるのも嫌だった。族が励ましてくれるほど、自分だけが以とは違うになったような気がして、部からないが増えていった。
受験のことを考える期になっても、何もする気になれなかった。
そんな俺のを、ある訪ねてきたのが陸だった。
陸とは幼稚園からの付きいで、学の頃も学になってからも、ほとんど兄弟のように過ごしていた。
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昔からの回転が速く、付きいもうまく、自然とが集まってくるような男だった。
俺が事故に遭ってから、陸はしばらく俺のに姿を見せなくなっていた。
当の俺は、そのことをく考える余裕さえなかった。
ところがあるの午、母親が部の扉をけて言った。
「圭、陸君が来てるけど」
俺は返事をしなかった。
誰にも会いたくない気分だった。
それでも陸は帰らなかった。廊から慮がちな声が聞こえ、しばらくすると母親に許をもらったのか、ゆっくり扉がいた。
久しぶりに見た陸は、以よりし痩せていた。
何か言いたそうにしていたが、俺の子を見ると唇を噛み、結局うまく言葉がてこなかった。
俺はそんな陸に向かって言った。
「何だよ、その顔。俺、きてるぞ」
陸は目を丸くした。
それから、泣きそうな顔のまま笑った。
そのを境に、陸は以のように俺のへ来るようになった。
必以にを貸すこともしなかった。
俺が自分でできることをしようとしているは黙って待ち、どうしても困っただけ自然にをした。「丈夫か」と何度も確認したり、「かわいそう」という目で見たりもしなかった。
その距が、俺には何よりありがたかった。
事故のと同じようにくだらない冗談を言い、ゲームで負ければ本気で悔しがり、俺が嫌を悪くすれば慮なく言い返してきた。
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しずつ、俺はへられるようになった。
そして2で昔から興を持っていたプログラミングを本格に学び始めた。
へまなかった俺にとって、パソコンの世界は議な所だった。
画面のでは、俺がっているか座っているかなど関係ない。いたコードが正しければくし、違っていればかない。ただそれだけだった。
俺はになった。
仕事としてさなシステム発を請け負うようになり、やがて仲を集めて会社を作った。規模がきくなってからも、陸はずっと俺のそばにいた。
現、陸は俺の会社でな仕事を任されている。
もともと優秀な男だったこともあり、社内だけでなく取引先からの評価もかった。IT業界の若として雑誌に取りげられたこともあり、俺より陸の顔をっているの方がいくらいだった。
だが、俺たちので肩きの話などほとんどしない。
会社では社と社員でも、歩へれば幼稚園からの腐れ縁だ。
何か問題が起きれば真っ先に連絡する。
嬉しいことがあれば最初にらせる。
そんな関係がになっても続いていた。
数か、その陸から話がかかってきた。
声を聞いた瞬、いつもとし違うことが分かった。
「圭、話がある」
「何だ。会社辞めるとか言うなよ」