"消えたアナウンサー" 第2話
だが、過の素材を見直すうちに、奇妙な欠落に気づいた。
紗季が失踪するかほど、自分で企画をてていたはずのい社会ニュースが見当たらない。
タイトルはうろ覚えだった。
「妊婦失踪……」
検索条件を広げる。
該当期の取材予定表には、件だけ記録が残っていた。
〈央県・松田絵里さん失踪 族取材検討〉
素材番号の欄は空。
完成原稿もない。
「松田絵里……」
真紀は名をにした。
記憶にない。
当、紗季が何を追っていたのかもらなかった。
社内の保担当に確認すると、担当者は首をひねった。
「なら、素材理で落ちたのかもしれません。未放送取材は定期で削除することもありますから」
「取材予定表は残ってるのに?」
「そこは別システムなんで」
説としては成していた。
成していることが、かえって気になった。
午、のカメラマンから追加報が届いた。
標本展の運営会社は欧州企業だったが、問題の妊婦標本は、本の「都メディカルアーツ」という会社から提供された記録があるという。
真紀はその社名を検索した。
医学教育用標本、解剖模型、保技術の発。
数に事業理され、現は別会社に吸収されている。
過の取引先覧のに、見覚えのある名があった。
央仁誠会。
黒川と縁のい医療法だった。
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真紀は画面を見つめた。
倫と妊娠。
失踪したキャスター。
同じ期に消えた、もうの妊婦。
そして、黒川とつながる医療法。
まだ、線と呼べるほどのものではない。
だがには見えなかった点が、しずつ同じ方向を向き始めていた。
第章 松田絵里
松田絵里は、失踪当歳だった。
央県部のさなで育ち、結婚をに県庁所へ移った。夫とは失踪の半から別居状態。妊娠かを過ぎた頃、勤務先のパート先を辞め、母親との連絡も途切れがちになっていた。
警察への捜索願は母親がしていた。
しかし成女性で、庭内に問題があり、自ら姿を消した能性もあるとして、きく報じられることはなかった。
真紀は古い方の記事を探しした。
〈妊娠の女性、所〉
たったの記事だった。
そのに、もっとさな訂正文があった。
〈齢表記に誤りがありました〉
真紀は何気なく付を確認した。
紗季が取材予定を入れたのは、そのだった。
なぜ紗季は、全国にはほとんどられていない失踪事件に関を持ったのか。
当の取材ノートは見つからない。
代わりに、彼女が使っていた社用メールの件名覧だけが部残っていた。
〈確認:救急搬送記録〉
〈照会:元遺体の扱い〉
〈提供同について〉
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本文は保期限切れで消えていた。
真紀は背にい汗をじた。
これは恋の相談ではない。
なくとも、失踪直の紗季は何かを取材していた。
しかも「遺体」という言葉までてくる。
松田絵里の母親は、央県郊の団で暮らしをしていた。
に娘を失い、今も話番号を変えていなかった。
「テレビの方は、もう来ないとっていました」
玄関先でそう言った母親は、にかった。
部の棚には、若い女性の写真が飾られていた。丸い頬、肩までの髪。し伏し目がちな笑顔。
「娘さんは、失踪に病院へっていませんでしたか」
真紀が尋ねると、母親の顔が張った。
「どうしてそれを?」
「当の取材記録に、医療関係の照会が残っています」
母親はしばらく黙ったあと、古い袋を押し入れから持ってきた。
には母子帳のコピー、診察券、未払いの公共料の通などが入っていた。
「絵里は、最に話してきたに、お腹が張るって言ってたんです。私、病院へきなさいって言いました」
「病院名は?」
「央仁誠会の央病院だったといます。にも度、夜で診てもらったことがあって」
黒川と縁のい医療法。
真紀はペンを止めた。
「病院には確認しましたか」
「しました。でも来ていないって」
「警察も?」
「そうです。記録がないからって」
母親は、袋の底から枚の名刺をした。
野紗季。
フリーキャスター。
「このが、度だけ来たんです」
真紀は息を呑んだ。
「いつですか」