"消えた実印" 第7話
織が審にったのは、娘の学費用を確認しようとしただった。
残が、あるはずの額より幅になかった。
問い詰めると、達也は最初、定期預へ移したと言った。その次は会社の持株を買ったと言い、最には「必ず倍にして返す」と鳴った。
「それから、私の携帯話を取りげようとしたり、先を確認したりするようになりました」
織は自分のを見た。
「達也さんが暴力を振るったことはありません。でも、壁を殴ったり、物を投げたりしました。美がいるでも」
文は誕の卓をいした。
達也がテーブルを叩いた音。
美が叔母のろへがった姿。
「それで、うちのを?」
「会社への返済期限がづいて、達也さんはお義母さんのを売れば解決すると言い始めました」
文のは駅からく、周辺では再発もんでいる。古いを壊し、だけを売れば4,000万円以になるという。
達也は、そので借を返し、残りを文の齢者宅の入居費用に充てる計画をてていた。
「私が同するとったの?」
「達也さんは、お義母さんは最物忘れがあるから、自分が説すれば納得すると言っていました」
活メモのことをいした。
薬のみ忘れ。
豆腐を4丁買った。
気料の督促。
の消し忘れ。
「あなたがいたノートを、達也が使おうとしたの?」
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「はい」
織は目を伏せた。
「私が記録をつけ始めたのは、お義母さんの活を奪うためではありません。暮らしを続けるために、何を伝えばいいか分かるようにしたかったんです」
ところが達也は、その記録を見つけた。
母親には判断力がない。
暮らしは危険だ。
自分が財産を管理すべきだ。
そう主張するための材料にしようとした。
「私、ノートを捨てようといました。でも、実際にお義母さんが困っていることもいてあったので、どうすればいいか分からなくて」
「私、本当にそんなに忘れてるの?」
文が尋ねると、織は答えに迷った。
「正直に言って」
「以より、同じ物を何度か買ったり、支払いを忘れたりすることは増えています。でも、活ができないほどではありません」
「ガスは?」
「度だけ、のままになっていました。お義母さんはますためと言いましたけど、鍋のはほとんど焦げていました」
文は唇を閉じた。
覚えている。
煮物をにかけ、庭へ洗濯物を取り込みにた。その、所のに声をかけられ、ち話をした。
戻ると織がを止めていた。
文は、わざとにしていたと言い張った。
忘れたと認めるのが怖かったのだ。
「病院へった方がいいのかしら」
「度、物忘れ来で相談してもいいといます。でも、診断がついたらすぐにをなければならないわけではありません」
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織は以と同じ言葉を言った。
「お義母さんがで暮らしたいなら、その方法を緒に考えればいいんです」
文の目がくなった。
「どうして、そこまでしてくれるの?」
織はし笑った。
「お義母さんは、私の族だからです」
文はすぐに返事ができなかった。
自分は織に、族だとえないと言った。
その織は、今も文を族だと言う。
「実印は、達也がの類を探していたので、持ちしました」
織が続けた。
1週ほど、達也は文のへ来た。文が所の病院へっている、鍵でへ入り、仏壇の引きしを調べた。
そのことを美から聞いた織は、翌、文のへった。
実印がまだ残っていることを確認し、迷った末に持ちした。
「警察や弁護士へ相談してから、お義母さんに話すつもりでした。でも、お義母さんに聞かれた、達也さんがどこまでめているか分からなくて、すぐに認められませんでした」
「私が買い物にってるに取ったのね」
「はい」
「それは、やっぱり駄目でしょう」
文が言うと、織はをげた。
「おっしゃる通りです」
「理由があっても、私に黙って持っていくのは駄目よ」
「はい」
「でも……」
文は膝のでを握った。
「守ってくれて、ありがとう」
織の目から、初めて涙が落ちた。
文はバッグからハンカチをしたが、渡すが途で止まった。
織が受け取りたくないかもしれないとったからだ。